2025年10月20日、ヒューマノイド(人型ロボット)開発に取り組むスタートアップのドーナッツロボティクスは、エムビーエスと資本業務提携契約を結び、共同プロジェクトを開始すると発表した。

5体の人型ロボット、エムビーエスとドーナッツロボティクスのロゴ

 近年、建設業界では人手不足が深刻化し、足場設置や外壁塗装、改修工事などの作業員の安全確保が課題となっている。また、交通インフラ工事での警備員の人件費負担も増している。

 エムビーエスは、建築物の外装・リフォーム事業を全国に展開し、独自のコンクリート保護技術と施工実績、顧客基盤を有している。ドーナッツロボティクスは、画像と言語を同時に扱えるAIモデルであるVLM(Vision-Language Model)を搭載したヒューマノイドを開発している。

 カメラで取得した映像と自然言語での指示を理解して行動する次世代ヒューマノイドにより、建築現場の仕事を代替することが可能となる。

 エムビーエスが施工ノウハウ・現場テストの場を提供し、安全性評価を担当。ドーナッツロボティクスは技術開発およびヒューマノイド本体を提供する。

【具体的な応用シーン】

  • 足場設置・組み立て
    足場の組み立てを代替し、作業者の負荷軽減と安全性の向上を図る。
  • 外壁塗装・塗り替え作業支援
    外壁塗装の自動化。
  • 警備・監視
    夜間や無人時間帯の作業現場の巡回・不審者検知・異常の早期発見。
  • 点検・診断補助
    外装のひびわれ、塗装の劣化などをカメラデータで可視化。
  • 工具・建材および資材等の搬送
    安全が担保しづらい場所や高所への工具、建材の搬送。
  • 草刈り
    年々負担が増大する草刈り作業の省力化を図る。

【開発スケジュール】

  • 第1フェーズ(~12か月):プロトタイプの開発および現地実験。
  • 第2フェーズ(12~24か月):PoC開始。実用型モデルの開発。
  • 第3フェーズ(24か月~):商用サービス化、全国展開。
    ※建築業界における独占販売代理店展開

各社コメント

エムビーエス 代表取締役 山本貴士氏

 私たちエムビーエスが長年培ってきた施工技術、現場管理のノウハウと、ドーナッツロボティクス社のヒューマノイドが組み合わさることで、今後予想される様々な課題を解決し、建設・土木現場をより安全で効率的な場所へと変革できると確信しております。まずは、職人の補助(テゴ)作業を行うテゴロボから職人の手作業を代替するガテロボの開発に注力していきます。

ドーナッツロボティクス 代表取締役 小野泰助氏

 エムビーエス様の実績を得て、建築現場という非常に実践的なフィールドでのヒューマノイド導入を加速できることを嬉しく思います。この取り組みは、世界の建築現場での働き方を再定義する可能性があると考えております。エムビーエス様の期待に応えるため開発を進めてまいります。

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