2025年10月15日、LAplust(ラプラス)は、清水建設、双日九州と、施工後の地下ピットにおいてドローンで撮影した動画から指摘箇所をAIで検出する技術実証を実施したと発表した。

写真:地下ピット内で飛行するドローン
実証現場の地下ピット。

 地下ピット施工後の完了検査工程では、指摘個所の特定を行い指示書を作成する必要がある。撮影は、ドローンを用いて動画を撮ることで短時間かつ安全に実施できるが、撮影した動画をすべて人が目視で確認して指摘箇所を洗い出す必要があり、時間を要していた。

写真:
学習に用いたデータ。初見では見た目で指摘箇所を判断することが難しい画像も含む。(左:エフロレッセンス、中央:通気管の養生撤去忘れ、右:設備配管の未施工箇所)

 そこで、画像解析AI構築ソフトウェア「LA-Eye(エルエーアイ)」を用いて、ドローンで撮影した画像から指摘箇所を検出するための「地下ピット指摘箇所判定AIモデル」を構築し、人の目でも見落とす可能性がある指摘箇所を含む複数の画像に対して適切な指摘箇所判定が行えるか解析を行った。

画像が羅列された画面(テストデータに対する評価)
様々な画像に対して指摘箇所の検出可能性を多角的に検証した。
地下ピットの画像(3枚)に指摘箇所が表示される様子
LA-Eyeで構築したAIモデルが指摘箇所を検出した様子。それぞれ適切に検出できることを確認した。
学習結果
学習時のLA-Eyeの画面(順調に学習が進捗している)

 その結果、mAP(平均適合率)等の指標から、良好な結果が得られたことを確認した。一方、一部誤検出・過検出・誤分類も発生したため、実用化を目指し、改善に向けた具体的な方策を立てて対応を進める方針だ。

 この実証では、清水建設が保有するデータを用いて地下ピット指摘箇所判定AIモデルを作成し、良好な結果を得ることができた。今後、安全性の向上や業務効率化を目指し、大量の動画データから地下ピットにおける特定の指摘箇所を自動的に抽出・可視化し、特定の協力会社に業務指示を行うための対応を進めるとしている。

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