2025年8月29日、SkyDriveは、フランスの高性能航空用プロペラメーカーのDUC Hélices Propellers(以下、DUC)と開発契約を締結したことを発表した。両社は空飛ぶクルマ「SKYDRIVE(SkyDrive式SD-05型)」に適したローターを共同開発し、DUCがSkyDriveに供給する。

SkyDriveとDUC Hélices Propellersのロゴ
写真:握手を交わす両者
左:SkyDrive 最高開発責任者 Arnaud Coville氏、右:DUC Hélices Propellers 社長 Vincent Duqueine氏

 DUCは、高性能カーボン複合材プロペラとローターに特化し、航空力学と複合材料の専門知識を合わせ、航空機やヘリコプター、マルチコプター向けのソリューションを提供している。同社は航空安全への取り組みで世界的に認知されており、EASA、FAAをはじめとする国際機関からの認証を取得している。

 SKYDRIVE(SkyDrive式SD-05型)はマルチローター型で、12基のモーターと3枚羽のローターによって駆動する。ローターは揚力と推力を生成する重要な部品であり、個々のローター速度の調整により、機体の姿勢と動きを精密に制御する。この分散型推進システムは、騒音低減、冗長性、全体の飛行安全性に大きく貢献している。

 SkyDriveは、DUCと共同でローターを開発することで、安全な機体の開発と試験を加速させるとしている。

各社コメント

SkyDrive 最高開発責任者 Arnaud Coville氏

 当社の空飛ぶクルマのローターの開発において、DUC Hélices Propellers社と協力できることを大変うれしく思います。DUC社はすでに非常に高い機動力を発揮しており、自社やパートナーの技術力を活用して、4か月で初期製品を納入し、当社の試験設備で良好な性能を示しています。型式証明取得に向けた機体開発を進めるうえで、重要なマイルストーンとなりました。

DUC Hélices Propellers 社長 Vincent Duqueine氏

 DUC Hélicesは、SkyDriveの挑戦の一翼を担えることを誇りに思います。

 当社は30年近くにわたり航空用複合材の分野で培ってきた豊富な経験を背景に、この大きな挑戦に臨む準備ができています。SkyDriveの空飛ぶクルマのローターを開発することは、私たちの専門技術を発揮し、次世代のエアモビリティの未来を形づくる大きな機会です。

 この挑戦は容易ではありません。高い性能を発揮しながら振動や騒音を最小限に抑え、都市型エアモビリティを静かで安全なものにするためのローターを設計・製造することが求められています。

 SkyDriveにこの重要な使命を託されたことは大変光栄であり、この新しい交通手段の成長に貢献できることを心から楽しみにしています。航空の未来はすでに動き出しており、私たちもその挑戦に共に取り組んでいます。