ACSLの米国子会社であるACSL, Inc.は、2025年8月26日(現地時間)、NDAA(National Defense Authorization Act)準拠の新型スマートコントローラー「TAITEN」の発売、SOTEN用高画素赤外線カメラ「SAMO」の機能アップグレード、Teledyne FLIRの「Thermal by FLIR」プログラムへの正式参画を発表した。米国市場ニーズに応える製品開発に取り組み、米国での販売および市場開拓を加速させる。

写真:「TAITEN」を操作する様子
新型スマートコントローラー「TAITEN」

新型スマートコントローラー「TAITEN」

 公共安全機関や産業点検等の現場での運用を想定して設計された新型スマートコントローラー。1500ニットの明るさを備えた7インチの高解像度ディスプレイを内蔵し、IP54規格、HDMI出力、カスタマイズ可能なファンクションボタン、SOTENとの完全互換性等の特徴を持つ。現場オペレーターのニーズに対応する高い視認性、耐久性、操作性を提供する。米国の販売代理店ネットワークを通じて9月より販売を開始する予定だ。

写真:新型スマートコントローラー「TAITEN」外観

「Thermal by FLIR」プログラムへの参画

 Thermal by FLIRプログラムは、同社のOEM事業部門であるTeledyne FLIR OEMによって開発され、Teledyne FLIRのサーマルカメラモジュールを使用するOEM企業が、製品の製造工程でFLIRのモジュールをシームレスに統合できるよう、Teledyne FLIR OEMが支援し、新技術の市場投入を共同で支援するもの。

 両社は、ACSLのドローンとFLIRの最新サーマルカメラモジュールおよびPrism ISP技術を統合した次世代ソリューションの共同開発に取り組んでいる。

SOTEN用高画素赤外線カメラ「SAMO」のアップグレード

 米国市場向けに開発されたNDAA準拠の高画素赤外線カメラSAMOは、ITAR(国際武器取引規制)非該当のTeledyne FLIR OEM製Hadron 640Rカメラモジュールを搭載し、6400万画素の可視カメラと640×512のBoson放射型熱画像カメラを組み合わせている。

 今回のアップグレードでは20倍ズーム機能を追加。また、2025年内にFLIRとの協業によりMSX(マルチスペクトルダイナミックイメージング)技術に対応する予定である。MSX技術は、可視カメラの鮮明な輪郭情報と赤外線画像を融合して画像を補正することで、運用時により高い状況把握を可能にする。

写真:可視光、サーマル、MSXで撮影したガス貯蔵タンク
MSX技術イメージ
写真:SOTENに搭載された「SAMO」
SOTEN用高画素赤外線カメラ「SAMO」

各社コメント

Teledyne FLIR OEM Vice President of Product Management Mike Walters氏

 ACSLがFLIRプログラムに加わることは非常に楽しみです。当プログラムは、開発から展開までのプロセスを加速し、ACSLのSAMOのような高度な熱画像機能をより迅速に現場のオペレーターの手に届けることができます。今後のドローン技術革新において、ACSLとの協業を楽しみにしています。

ACSL, Inc. CEO Cynthia Huang氏

 TAITENの発売、SAMOのアップグレード、そしてThermal by FLIRプログラムへの正式参画は、ACSLにとって大きな節目であり、用途特化型ドローンソリューションの進化への当社のコミットメントを明確に示しています。FLIRは熱画像技術における専門知識とセキュリティへの共通の関心を持っており、ACSLのドローンシステムの導入が市場で加速する中で、彼らは非常に重要なパートナーとなっています。