TIアサヒは、UAV(無人航空機)・レーザー測量システム「UL-X1」の国内販売を2025年9月上旬より開始する。オープン価格。

 LiDARセンサーとカメラを装備した計測ユニットを搭載したUAVにより上空からレーザーを照射することで、広範囲の三次元データを取得することができる。

写真:飛行する「UL-X1」
UAV・レーザー測量システム「UL-X1」
写真:森林や人工物をとらえたカラー点群
「UL-X1」で取得したカラー点群

 UL-X1の機体はDJI「Matrice 350」を採用。機体に搭載した計測ユニットには、ロングレンジのLiDARセンサーに加えて4500万画素フルフレームカメラと、フロントビューカメラを装備している。これにより広いFOV(画角)をカバーする。

 計測ユニットは、GNSS/IMU、LiDARセンサー、カメラ、データ収録装置を含めたすべての重量が1.55kgと軽量かつコンパクト。

写真:計測ユニットの外観(斜め下、下面)と各パーツの説明
「UL-X1」の計測ユニット

 効率的なバッテリーシステムと軽量化により、飛行時間は最大約33分(ホバリング時)と、前機種よりも約3分延長された。また、Matrice 350は衝突回避のため、全方向に障害物センサーを備えている。

 1回のフル充電で計測可能な範囲は約73ha、東京ドーム約15個分に相当する(対地高度70m、飛行時間約30分の場合)。

「UL-X1」主な仕様

  • LiDARセンサーの最長計測距離
    • 400m@反射率20%、800m@反射率80%
    • 点群密度:100kHz/300kHz/500kHz、スキャンレート50万点/秒@75゚
  • 最大8つのエコーを取得
  • LiDARセンサーFOV:75°
  • 4500万画素カメラ(36×24mmフルサイズ)、FOV:81.2°×59.5°
  • 高精度IMUを搭載、更新レート500Hz
  • データストレージ:512GB×2個、書き込み速度:80MB/秒
  • 防滴性能:計測ユニット防塵 IP64、機体 IP55
  • 計測ユニット重量:約1.55kg
  • 機体:DJI Matrice 350
  • DJIリモートコントローラーにアプリ「SmartGo」をインストールし、リアルタイムでカラー化点群データの表示が可能
  • 飛行時間:約33分(推定ホバリング時)
  • 通信距離:約8km

【森林地帯の地表面の計測】

 植生表面で反射したレーザーのリターン信号に加え、植生の隙間から地表面に到達したレーザーのリターン信号も受信できるため、植生のデータを取り除くことで地表面のデータを得られる。

【アプリ・ソフトウェア】

  • コントローラ用アプリ「SmartGo」
    飛行計画、現場でリアルタイムに点群を確認
  • 標準付属品、後処理ソフト「CoPre」
    データコピー、POS航跡解析、点群および画像生成、GCPによる調整リファイン、ノイズ最適化、DOMおよび3Dモデル生成(オプション)
森林地帯の点群
地形の高さを色別で表した森林地帯の点群
写真:上空から撮影した、空き地に停められた4台の車
オルソ画像
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