米国SightLine Applicationsは、最新のエッジ画像処理ソフトウェアとハードウェアを発表した。
今回リリースされたソフトウェア「3.9.2」と、フラッグシップビデオプロセッサー「4100-OEM」のアップデート、新たに登場した小型ビデオプロセッサー「1710-OEM」により、ドローン群(以下、ドローンスウォーム)の追跡、滞空型兵器の運用、SWaP(Size、Weight and Power)制約のあるプラットフォームへのISR(情報・監視・偵察)機能の統合など、さまざまな用途で迅速かつ信頼性の高い運用が可能。意思決定を迅速に支援するインターフェース、AIによる強化機能、過酷な環境下でも性能を維持する設計になっている。
エッジ画像処理ソフトウェア「3.9.2」のアップデート
- ドローンスウォーム追跡機能
1つのビデオ入力につき最大20体の移動体を同時に追跡可能。高密度空域における対UAS(無人航空機システム)ミッションや監視任務に適している。 - 高精度なターゲット取得
ビデオフィードを一時停止して対象を選定し、同期を維持したままリアルタイム追跡を再開可能。 - 直感的で、判断しやすいUI
見やすいシンボル表示とカスタマイズ可能なUIレイアウトにより判断スピードを向上。 - 幅広いプラットフォーム互換性
NVIDIA Jetpack 6やST0601.17準拠のメタデータをサポートし、さまざまなシステムへの統合を容易にする。
複数のドローンを検知・追跡する様子(SightLine Applications, LLC YouTubeチャンネル)
「Athena AI」初期統合
SightLine Applicationsが買収したAthena AIによる高度なAIモデル群の初期サポートも含む。エッジ処理に最適化されたAthena AIにより、物体検出・分類性能を強化。初期統合により、デモ環境での使用も可能で、4100-OEMでの本格対応は2025年夏にリリース予定のソフトウェア「3.9.4」で予定している。
ハードウェアアップデート
- 4100-OEM:3チャンネル処理対応のエッジビデオプロセッサー
4100-OEMが3チャンネルのビデオ入力に対応し、それぞれ独立したビデオとして同時処理が可能。リアルタイムな映像の統合と解析が求められる複数のカメラ・センサーを使ったISRミッションに適する。 - 1710-OEM:15gのエッジビデオプロセッサー
新製品のエッジビデオプロセッサー「1710-OEM」は、重さはわずか15g、消費電力は3W。滞空型兵器、ナノUAS、小型自律システムなど、サイズや電力に厳しい制約があるプラットフォームに適している。リアルタイム映像処理、AIによる追跡、デュアル入力などすべてをエッジで完結する。
