2025年6月26日、関東学院大学、神奈川県立海洋科学高等学校、横須賀市、横須賀海上保安部は、関東学院大学が開発を目指しているドローンとAI技術を活用した密漁監視・取り締まりシステムの構築に向けた実証実験を合同で開始すると発表した。

 横須賀市の沿岸部では、アワビやサザエなどの密漁が後を絶たず、漁業関係者に深刻な被害をもたらしている。一方、広大な海岸線や夜間における監視・取り締まりは、人によるパトロールだけでは限界がある。

 このプロジェクトでは、ドローンの機動力とAIの高度な画像解析能力を組み合わせることで、監視体制を効率化・高度化し、密漁の抑止力強化を目指す。ドローンが密漁者を自動で検知し、関係機関へ即時通報するシステムの社会実装を将来的な目標とする。

実証実験の概要

 実証実験は、2段階に分けて実施する。

第1段階(AI教師データの撮影と学習モデルの構築)

 海上保安官を密漁者役に見立て、ドローンで撮影した映像をAIに学習させる。これにより、密漁行為に特有の道具や動きをAIが認識できるようになる。

時期2025年7月5日(土)10:00~12:00(予備日:7月6日(日))
場所長井漁港周辺
内容海上保安官が密漁者役となり、岩場に隠れる、海に潜る、採捕物を袋に入れるといった典型的な密漁行動を再現。これらの様子をドローンでさまざまな角度・高度から撮影し、撮影した映像を関東学院大学元木教授が解析、密漁者検知AIの学習データとして活用する。
地図に示された飛行エリア、ドローンの離着陸地点

第2段階(実海域における有効性検証)

 第1段階で開発したAIシステムを搭載したドローンを実際の密漁多発海域で飛行させ、システムの有効性を検証する。

時期2025年8月下旬(予定)
場所横須賀市内の密漁多発海域(予定)
内容AI搭載ドローンを密漁多発海域で自律航行させ、密漁が疑われる人物をAIが自動で検知できるか、その精度と実用性を評価・検証する。