豊田通商は、2025年5月にドローン機体やセンシングデバイスを開発するamuse oneself(以下、アミューズワンセルフ)に出資を行った。

 2011年に設立されたアミューズワンセルフは、ガソリンとバッテリーを併用することで長時間・長距離の飛行が可能なハイブリッドドローンや、測量データの分析・可視化を行うシステムの開発など、ドローン機体の開発・運用からデータ分析までを一貫して提供できる体制を整えている。これらの技術を活用し、送電鉄塔やダムなどのインフラ設備の点検・計測、災害現場での測量やモニタリングなど、幅広い分野で実績を重ねている。

写真:「GLOW.H Rev.2.0」の外観
アミューズワンセルフ製ハイブリッド式ドローン「GLOW.H Rev.2.0」

 豊田通商は、2021年に子会社「そらいいな」を設立し、長崎県五島市において地域の物流課題の解決を目指し、本土から直接アクセスできない二次離島へ固定翼型ドローンにより医療用医薬品などを配送をする物流事業を展開している。

 今回の出資は、そらいいなのドローン物流事業に加え、アミューズワンセルフの技術やノウハウを導入することで、インフラ設備の点検・計測事業へ領域を拡大することを目的としている。そらいいなが主体となり、インフラ設備の点検・計測事業を日本全国および海外へ展開するほか、豊田通商グループが運営している再生可能エネルギー事業における設備・機器の点検・計測や、人の立ち入りが制限される場所での防災分野への進出も視野に入れる。

 将来的には国内外で事業拡大を図り、そらいいなを総合的ドローン企業へと発展させることを目指す。