2025年5月22日、ジャパン・インフラ・ウェイマーク(以下、JIW)は、橋梁点検専用の電子野帳アプリ「Waymark Note」正式リリース版の提供を開始した。橋梁点検のほか、プラント等の設備点検・管理、トンネル・法面点検、現場踏査時の現場状況の記録など、さまざまな現場で活用できる。基本機能は無料で利用可能。

電子野帳アプリ「Waymark Note」を使用する様子

「Waymark Note」アプリ概要

 従来の橋梁点検作業における野帳記録は、紙の過年度調書に手書きするのが一般的であった。ドローンを活用した損傷確認および撮影作業においても野帳記録は紙への手書きであったため、印刷の手間、何百枚の紙資料を見ながらの作業効率の悪さ、手書き記録の修正や記載ミス、現場後の写真整理の煩雑さなど、多くの課題があった。

 手書きの汎用性の高さを維持したまま点検記録の効率化を実現するため、JIWはWaymark Noteを開発。2025年1月にβトライアル版の提供を開始し、現場で使用した約30社の意見を反映しながら改良を重ねてきた。

サービス開始2025年5月22日
料金アプリ基本機能無料(Webサービス機能は有料)
利用方法Apple社のApp Store経由でのアプリ配信。利用開始にはWaymark Noteホームページより事前登録が必要。
対象デバイスiPad(iOS15~18搭載)<iPhone、Android非対応>

【特徴】

  • 橋梁点検現場での記録に特化した入力インターフェース
  • 確実で円滑な撮影チェックを実現する機能性
  • 内業の効率化を意識したデータ出力機能

【導入効果】

  • 現場での作業時間:約20%削減
     現場記録を迅速化、撮り漏れの防止、記録ミスの削減によって現場作業の効率を大きく向上。
  • 事務所での作業時間:約30%削減
     写真や野帳の整理作業を効率化し、事務処理の手間を軽減。

主な機能

 Waymark Noteは、部材名や損傷種類など、橋梁点検の専門用語を登録済み。選択入力でテキスト記録を完結できるため、素早くきれいに正確な文字を記録可能。

 ヘルプ機能により、橋梁定期点検要領(2024年7月)付録1「各部材の名称と記号」「各損傷の評価要領」を閲覧可能。点検経験の浅い作業者でも、その場で損傷ランクの詳細などの情報を確認できるため、適切な診断記録を残すことができる。

記録画面

 2つのタブに過年度調書などのPDF形式ファイルを登録可能。損傷図と損傷写真帳をそれぞれのタブに登録することで、わずかなタップ操作で損傷位置と損傷写真を確認できる。

損傷図と損傷写真

 野帳に写真番号を登録後、写真をインポートすると自動で写真番号と写真のひもづけ、および写真ファイルのリネームを行う。写真番号をタップすると、写真と撮影位置を1画面に表示できるため整合性を素早く確認可能。

 記録したテキストデータは表形式(CSVファイル)で書き出せるため、手持ちの調書作成システム等に活用することで内業の効率化につなげる。

番号をタップするイメージ、表示された写真と図面位置


▼「Waymark Note」無料トライアル申し込みフォーム
https://www.jiw.co.jp/service/technical/waymark_note/wn_contact.html