2025年5月14日、Terra Drone(以下、テラドローン)は、同社子会社でサウジアラビアを拠点とするTerra Drone Arabia(以下、テラドローン・アラビア)を通じて、サウジアラビア国営人材開発機関であるITQAN Institute(以下、ITQAN)と、ドローン点検に関する人材育成プログラムの開始に向け、覚書(Memorandum of Understanding、以下MOU)を締結したことを発表した。

 2025年4月に発表したテラドローンとサウジアラビアの総合エネルギー・化学企業アラムコが締結したMOUに基づく取り組みの一環であり、サウジアラビアのエネルギー施設向け点検を行う人材の育成と技能強化を目的としている。MOU締結により、同国内において、ドローン点検に関する高度な操作技能を備えた人材の育成を目指したトレーニングプログラムを開始する。

写真:MOU調印時の様子

 サウジアラビアは、広大な石油・ガス、石油化学、エネルギー関連施設を有しており、特に点検時間の短縮や作業員の安全向上、データ管理の一貫性の観点から、ドローン点検の需要が高まっている。一方、ドローン技術の本格的な導入に必要な、資格を持つ操縦士や認定点検技術者の人材不足が課題となっている。

 テラドローンとITQANは、サウジアラビア国内の人材が技術・法規制面の専門知識を習得できるよう、国家公認のトレーニングプログラムの提供を進めていく。

 この取り組みは、2025年4月にテラドローンとアラムコが締結したMOUに基づき、サウジアラビアのエネルギー施設向けのドローン点検に関する人材育成プログラムの基盤構築を目的としている。人材育成プログラムにより、サウジアラビアのエネルギー施設を点検する人材の育成および雇用創出を目指す。ITQANは、王国内でエネルギー施設に従事する人材開発を目的にアラムコとサウジアラビア技術職業訓練公社(TVTC)とのパートナーシップにより設立された。

MOUの内容

 MOUに基づき、テラドローン・アラビアは、ドローンに関する専門インストラクターの派遣、学習カリキュラムの開発、業界標準のドローン機体およびソフトウェアの提供を、ITQANはトレーニングプログラムの運営を行う。

 トレーニングプログラムは、テラドローン・アラビアとITQANが連携して開発。国家プロジェクトを支える人材の育成を視野に、石油・ガス、電力・公共事業、インフラ・建設、石油化学・精製、海洋・オフショア、再生可能エネルギーといった分野のニーズに対応し、「入門」「準備」「実践」の3つのコースで構成されている。

  • 入門:ドローンを活用した点検ソリューションに関する基礎知識を学ぶ
  • 準備:法規制に基づく認定資格取得に向けた準備を行う
  • 実践:実際の点検業務に対応できる技能を習得

 トレーニングプログラムは、2025年5月から順次開始する。各コースでは、座学と実地訓練を組み合わせたカリキュラムを採用し、サウジアラビアのドローン関連規制への準拠、産業別の応用スキルの習得、国際的な点検基準への適合を考慮した内容となっている。