黒田精工は、空飛ぶモビリティに適したモーターコアの販売を2025年4月より開始する。空飛ぶモビリティの安定した離陸と長時間飛行に応えるために開発したもので、小型軽量かつ高出力という特徴を備えている。

 このモーターコアは、通常の電磁鋼板に比べて高磁束密度、高透磁率、低鉄損という特性を持つパーメンジュール材を使用し、小型軽量かつ高出力を実現。重量を軽くし、長時間飛行が求められる空飛ぶモビリティ用途に適した製品となっている。

【主な特徴】

  • 高出力:飽和磁束密度 Bm(T) 2.475 達成、占積率 99%達成
  • 広範囲なサイズに対応:板厚 t 0.05〜0.25mm、積厚 L 〜125mm、サイズ 〜直径400mm
  • 材料自給:パーメンジュール材は同社が調達する

 パーメンジュール材の高磁束密度、高透磁率、低鉄損という特性を実現するには、焼鈍工程が必要となる。従来は焼鈍後の単板の積層技術がなく量産できなかったが、黒田精工は高速型外接着積層技術を開発し、パーメンジュール材を実用化した。

 パーメンジュール材を使用することで、通常の電磁鋼板やアモルファスでは満たせなかった性能に対し、検討可能な仕様範囲が拡大し、エアモビリティの普及に貢献することが期待される。

直流比透磁率 at1.0Tと飽和磁束密度Bs Tによる材料分布(パーメンジュール、アモルファス、電磁鋼板)
パーメンジュールの材料特性
エアモビリティ
エアモビリティのモデル図