2025年2月21日、Terra Drone(以下、テラドローン)は、同社子会社でベルギーに拠点を置く運航管理システム(UTM)プロバイダーのUnifly(以下、ユニフライ)が、デンマークのドローン衝突回避システムの開発企業であるSkypuzzler(以下、スカイパズラー)と協業し、複数ドローンの自動化された衝突回避とリアルタイムでの飛行調整を可能にするソリューションを開発し、安全かつ効率的な目視外飛行(BVLOS)を実現するための実証実験を実施、プロジェクトを完了したことを発表した。

テラドローン子会社Unifly、『CONDUCTプロジェクト』において複数ドローンの安全な目視外飛行の運用に関する実証実験を実施

 実証実験では、ユニフライのUTMとスカイパズラーのデジタル航空交通管制システム(iDATC)を統合することで、戦略的および戦術的なレベルでのリアルタイムな衝突回避を強化し、共有空域で複数のドローンが安全に目視外飛行できる運用を実証した。

 Eurekaネットワークの、欧州連合(EU)などが出資する中小企業に関する欧州パートナーシップ「Eurostarsプログラム」の一環である「CONDUCT(※1)プロジェクト」において実施したものとなる。

 ユニフライとスカイパズラーは、2024年3月、欧州におけるドローンの目視外飛行の運用強化に関する覚書(以下、MOU)を締結。当該MOUのもと、ユニフライのUTMとスカイパズラーのiDATCを統合し、複数ドローンが目視外の状況にあっても安全に飛行できる環境の構築に向けた実証実験を実施した。

※1「sCaling the drOne iNdustry through enhanceD Unmanned traffiC managemenT(高度なUTMを活用したドローン産業の拡大)」の略称。

実施概要

 低空域の領域では、ドローンの普及に伴い、中長期的に空域の混雑が生じることが想定されている。ユニフライのUTMは、事前に登録された飛行計画をもとにしたドローン同士の衝突を防ぐための飛行ルートの調整支援に加え、ドローン飛行中の有人機やドローンとの衝突を回避する運航支援を行う。今回同社は、UTMの統合連携機能を向上させるとともに、ドローン同士が近接した際のアラート機能を強化し、UTMとドローン間の通信をよりスムーズで信頼性の高いものにした。

 スカイパズラーのiDATCはUTMの拡張モジュールとして機能し、リアルタイムで他のドローンとの衝突リスクを検知しながら飛行経路・速度・高度などを調整し、自律的な衝突回避を行う。

 ユニフライのUTMとスカイパズラーのiDATCを統合することにより、飛行計画段階での衝突回避(戦略的な衝突回避)と、飛行中のリアルタイムな衝突回避(戦術的な衝突回避)の双方を強化。衝突回避をシームレスに行い、より安全で広範囲にわたる柔軟なドローン運用の有効性を実証した。

代表コメント

ユニフライCEO アンドレス・ヴァン・サルム(Andres Van Swalm)氏

 本プロジェクトは、目視外での自律的なドローン飛行の実現を大きく前進させました。ユニフライのUTMとスカイパズラーのiDATCを統合し、リアルタイムでの衝突回避技術を強化し、シームレスかつ広範囲での運用が可能になりました。スカイパズラーとのパートナーシップを通じて、私たちは、ドローンの自律飛行が実現する未来をつくるというビジョンを実現させていきます。

スカイパズラーCEO ジェスパー・スコウ(Jesper Skou)氏

 本プロジェクトは、ドローンの自律飛行が実現する未来をつくるという当社のビジョンを体現するものです。ユニフライとのパートナーシップは非常に意義深いものであり、当社の最先端の技術とユニフライの実績あるUTMを掛け合わせることで、ドローン業界およびUTM業界に革新をもたらすだけでなく、この分野において新たな基準を確立できると考えます。今後もユニフライと共に、さらなる挑戦を続けてまいります。