Fujitakaは、2025年3月6日、京都府南丹市において災害時を想定したドローン物流実証を行う。

 同実証は、災害により収容避難場所である旧川辺小学校から旧新庄小学校をつなぐ陸路がふさがり、孤立状態に陥った場合の山間部への救援物資配送を想定。両避難所を発着地として、入り組んだ山間部に位置する複数経由地へ、ドローンによる物資供給を行う。

 京都府「近隣住民及び自治体と連携した上空物資輸送ルートの策定・実証業務」の委託を受け、京都府南丹市・各地区自治会・ROBOZの協力のもと実施する。

飛行ルートおよび発着地・経由地(国土地理院地図)

 中山間地等の過疎化の進行に伴い、全国では災害時に集落が孤立するリスクが高まっている。2009年に内閣府が行った調査(※1)では、地震や津波等の災害時に孤立する可能性がある集落は、全国で約3割にのぼり、5割を超える県もあることから、平常時からの避難施設の整備や生活必需品の備蓄等の取り組みが求められている。

 南丹市は京都府のほぼ中央に位置し緑豊かな自然に恵まれた地域で、大半を丹波山地が占め、北部を由良川、中・南部を桂川が流れ、その間にいくつかの山地や盆地が形成されている。こうした地形は典型的な中山間地として日本各地との互換性・汎用性が高いことから、同実証を計画した。

 この実証により、Fujitakaは京都府南丹市を拠点とした「恒久的に飛行可能なドローン飛行ルート」を整備し、災害時の物資供給をはじめ平常時においても実証拠点等の活用を行うことで、同市の地域振興およびドローン実装社会の実現を目指すとしている。

※1 内閣府「中山間地等の集落散在地域における孤立集落発生の可能性に関する状況フォローアップ調査・調査結果」(平成22(2010)年1月公表)

実証実験の詳細

 2025年3月6日、京都府南丹市内において、物流ドローンを活用した完全自動航行の目視外飛行(レベル3.5)による物資輸送を行う。災害等により避難場所である旧小学校から旧小学校をつなぐ陸路がふさがり、中山間部が孤立状態に陥った場合の救援物資配送を想定し、公民館および公園の2か所を経由しながら物資を輸送する。

 実証は、京都府南丹市の旧新庄小学校から旧川辺小学校間の桂川河川上空一帯で実施。中山間地の公園および公民館を経由し、計3拠点にそれぞれ約8kgの物資(南丹市災害用備蓄物資)を供給し、到着地を含め合計約24kgの物資を輸送する。使用機体はDJI「FlyCart 30」、輸送距離は約6,000m。

写真:DJI「FlyCart 30」(カーゴモード)外観
DJI「FlyCart 30」(カーゴモード)
使用機材DJI「FlyCart 30」
基本機能・2種類の搭載モード(貨物ケース、空中吊下げ)
・最大積載量30kgで16km飛行(デュアルバッテリー時)
・O3による低遅延高画質映像伝送
環境耐性・全天候型(IP55)
・最大飛行高度:海抜6,000m
・動作温度環境:-20~45℃
・最大風圧抵抗:12m/s