トヨタ・コニック・プロは、2025年11月19日、岡山県の中山間地域において2種類の自動配送ロボットを使用した公道走行実証実験を実施する。

 経済産業省「令和6(2024)年度補正予算 持続可能な物流を支える物流効率化実証事業/②買物困難者対策事業:より配送能力の高い自動配送ロボットを活用した実証事業」に採択され行うものとなる。

 物流分野では人手不足等が深刻化しており、ラストワンマイル配送では自動配送ロボットの活用が期待されている。諸外国では、より配送能力の高い中速・中型の自動配送ロボットを用いた実証実験やルール整備が先行し、日本国内でもこの技術を活用することで、人手不足解消や買い物困難者対策など、さまざまな課題の解決が期待される。そのため、経済産業省の実証事業では国内事業者による実証実験を加速させることを目指している。

写真:路上に停車する小型・低速ロボット「SORA CAGO」
トヨタ自動車製小型・低速ロボット「SORA CAGO」

 トヨタ・コニック・プロが取り組んでいるプロジェクト「地域共創型プラットフォーム このまち市場」では、まちの機能の維持が困難となる中、買い物困難者を含めた超高齢化・人口減少社会においても、モビリティによって地域課題を解決し、楽しく、安心で安全に暮らせる社会の創造をビジョンに掲げている。

 過疎・中山間地域の買い物支援事業に中速・中型/低速・小型等のモビリティを組み合せることで適材適所を図るなど、トヨタグループの知見や技術により持続可能な取り組みを創造することを目指す。

公道走行実験の概要

 実証実験では、宅配サービスで自動配送ロボットを導入する際の技術的・環境的課題と、2種類のロボットの適材適所、事業採算ラインの検証を行う。

 トヨタ自動車が開発中の低速小型、中速中型の2種類の自動配送ロボットを使用して、よしのが運営する店舗「どんどん市場」からの商品宅配、および農家からの仕入れ運搬を行い、公道を約1.6km走行する。

日時2025年11月19日(水)9:00~10:30
場所岡山県勝田郡勝央町「どんどん市場」 近郊

自動配送ロボット

【低速・小型ロボット「SORA CAGO」】

写真:低速・小型ロボット「SORA CAGO」
サイズ全長950×全幅580×全高830mm
最高速度6km/h
最大積載量20kg

【中速・中型ロボット】

写真:中速・中型ロボット
サイズ全長1,510×全幅1,054×全高920mm
最高速度15km/h(実証実験では8km/hで走行)
最大積載量200kg


 トヨタ・コニック・プロは、実証の結果を踏まえ、有効性の高い解決策を全国各地に拡げていく方針だ。過疎・中山間地域に限らず、都市部の集合住宅・団地や移動・買い物困難者なども対象に、地域共創型の買い物支援事業の構築を目指す。