2025年5月8日、コアは、防衛省航空自衛隊第4補給処の公告「無人航空機に用いるGNSSスプーフィング対策技術の考案及び有効性の検証」を落札したと発表した。

 GNSSスプーフィングおよびその対策技術の最新動向を調査するほか、GNSSシミュレーター(※1)でGNSSスプーフィングを模擬し、調査結果の技術を評価するデータを収集、データを評価・分析しGNSSスプーフィング対策技術を考案し、考案した技術の有効性の検証を実施する。

※1 GNSS信号を模擬した信号を生成し、出力する市販の装置。

無人航空機に用いるGNSSスプーフィング

【GNSSスプーフィング】

 GNSSスプーフィング(なりすまし)は、GNSS衛星が送信する信号と同じフォーマットで、その内容を書き換えた信号を地上に設置した無線送信器でターゲットに送信し、誤った位置を算出させる技術。

 ターゲットは位置の制御にGNSSを使用している航空機・船舶・車両等に相当し、GNSSスプーフィングはそれらの運用を妨害し、乗っ取ることを目的として使用される。

【無人航空機に用いるGNSSスプーフィング】

 2011年12月、アメリカ軍の無人偵察航空機がイラン軍のGNSSスプーフィングによって乗っ取られ、捕獲された事例が発生。以来、GNSSスプーフィングは高度化し、同様の事例が数件起きている。

 軍用機は高額であり、安全保障上の重要な機密情報を多く含んでいるため、GNSSスプーフィング対策技術は世界の国家機関(軍・大学)・企業で研究・開発が行われている。