2025年4月30日、Terra Drone（以下、テラドローン）は、同社の連結子会社でベルギーに拠点を置く運航管理システム（以下、UTM）プロバイダーのUnifly（以下、ユニフライ）が、欧州を中心にドローンの規制・安全・飛行前の許可承認の取得に関するアドバイザリー業務を行うEuroUSC Italia（以下、ユーロUSCイタリア）の全株式を取得し子会社化したことを発表した。
ユニフライはUTM領域において、ドローンの運用を支援するプラットフォームを開発・提供している。ドローンの飛行前の許可承認を得るためには、飛行リスクを評価する「SORA（Specific Operations Risk Assessment）」と呼ばれる運航リスク評価のフレームワークがある。SORAは、EU諸国をはじめ、英国、カナダ、オーストラリア、アラブ首長国連邦など、一部の採用国を含め約40か国以上で採用されている。目視外飛行や人口密集地のようなリスクが高い飛行の多くは、SORA等の運航リスク評価のフレームワークを用いた申請が必要とされる。これらは専門的な知識を要するほか、手動の複雑なプロセスとなっている。
ユニフライは、ユーロUSCイタリアの子会社化により、ドローン飛行におけるリスク評価のプロセスから運航管理までを一貫して支援する統合プラットフォームの構築を目指す。今後、リスク評価・運航管理分野における新サービスの開発や、他地域への展開も視野に入れる。
ユーロUSCイタリアは、SORAに基づくリスクアセスメント支援を中心に、飛行前の許可承認の取得や、ドローン規制に関するアドバイザリー業務を行っている。自社開発のリスク評価支援ソフトウェアを活用し、専門知識が求められる複雑な申請プロセスのデジタル化・効率化を推進している。同社の顧客は、大手ドローンオペレーターから航空業界の各種機関、防衛・軍事関連など多岐にわたる。また、欧州航空安全機関（EASA）、国連世界食糧計画（WFP）、欧州航空管制近代化プログラム（SESAR）、Amazon、イタリアの大手防衛・航空宇宙企業のレオナルド、イタリア消防庁などとの実績を有している。
ユーロUSCイタリアがユニフライに参画することにより、飛行前の運航リスク評価プロセスのデジタル化・自動化を進める。具体的には、従来手動で行っていた複雑な申請プロセスを効率化することで、ドローン運用の全体最適化を実現し、グローバル展開を加速させることを視野に入れる。世界各国で低空域における次世代航空交通インフラの整備が進む中、運航前のリスク評価から運航管理までを一気通貫で支援する。