2025年3月11日、椿本チエインは、長時間飛行・重量物輸送に対応するエンジンドローンの製造・販売事業に参入することを発表した。事業参入に当たり、2025年1月、會澤高圧コンクリートが研究・開発を進めるエンジンドローン「AZ-250」の独占製造・販売ライセンス契約を締結。2030年の商用販売開始を目指す。

写真:飛行するドローン
エンジンドローン「AZ-250」
写真:握手を交わす2人
左:曾澤高圧コンクリート社長 曾澤祥弘氏、右:椿本チエイン社長 木村隆利氏

 椿本チエインは、1917年の創業以来、チェーン、モビリティ、モーションコントロール、マテリアルハンドリングの各事業を展開してきた。

 現在、物流やインフラ管理、防災対策の一部ではドローンが活用されているが、飛行の安定性や航空時間、重量物輸送が課題となっている。エンジンドローンは、これらの課題を解消し、無人化・省人化にも寄与するものとして期待されている。

 同社の自動車エンジン用タイミングチェーンシステムの開発における技術力や知見などを生かし、新事業としてエンジンドローン事業に参入する。

 エンジンドローン製造・販売の早期事業化に向け、2025年4月より新事業開発センター内に専門チームを新設し、2030年のエンジンドローンの商用販売開始を目指す。エンジンドローン、離着陸用ドローンポート、運搬装置等の周辺装置の生産・販売体制を構築する方針だ。

エンジンドローン「AZ-250」の特長

 現在のドローン市場では、バッテリーを動力源とする機体が主流となっている。一方、AZ-250はガソリンエンジンを搭載し、数時間にも及ぶ飛行を実現する。最大積載量は50kg、無積載であれば約7時間、50kgの積載物でも約1時間の連続飛行が可能。豪雨にも耐える全天候型の機体だ。

 主な用途として、物資輸送やインフラ点検、広域物流など、長距離・長時間の飛行が求められる場面を想定しており、ガソリンエンジンによる高エネルギー効率で、CO2排出量を抑制しながら長時間飛行を実現する。

エンジンドローンの領域
写真:エンジンドローン「AZ-250」の外観

【エンジンドローン「AZ-250」仕様】

機体形式クワッド型マルチコプター
寸法
(プロペラ折り畳み時)
H848×L2,205×W1,990mm
(H848×L1,174×W973mm)
空虚重量60kg
最大離陸重量115kg
積載量+燃料重量55kg以下
航空時間7時間(無積載時)
1時間(積載量50kg)
燃料タンク容量30L
プロペラ可変ピッチ式 直径1,220mm×4

▼椿本チエイン エンジンドローン事業 ティザーサイト
https://elink.tsubakimoto.jp/drone/