アルビトは、2025年2月19日から21日まで東京ビッグサイトで開催された「第23回 SMART ENERGY WEEK(WIND EXPO ~風力発電展~)」に出展。同社は、風力発電ブレードの外観だけでなく、内部の避雷針(レセプター)の導通確認まで可能なドローン点検技術を披露した。さらに、点検後の補修作業まで一貫して対応できる点を強みとし、風力発電をはじめとするインフラメンテナンスの効率化を提案した。
ドローン点検で風力発電の稼働率を最大化
風力発電ブレードには、落雷による損傷を防ぐために内部に避雷針用の導線が配置されている。日本では、経済産業省の規定により定期的な導通検査が求められているが、従来の方法では作業員がロープを使ってブレード内部にアクセスしなければならず、高所作業のリスクやコストが課題となっていた。
アルビトはこの課題を解決するために、ドローンを活用した導通検査を開発。ブレード外部に設置した専用の検査装置を使用し、ドローンが特定部分に接触することで導線の断線や異常を検出できる。担当者は「外観点検だけでなく、ブレード内部の配線の異常もドローンで確認できるため、より効率的なメンテナンスが可能になります」と説明した。
風力発電以外のインフラ点検にも活用
アルビトのドローン点検技術は、橋梁やその他のインフラ設備にも応用されている。従来、人が直接目視で行っていた点検作業をドローンで代替することで、点検コストの削減と作業の効率化が可能になる。担当者は「これまで人が行っていた作業をドローンで代替し、補修に必要なリソースを確保することが重要です」と語った。
ドローン点検と補修の一貫対応が強み
アルビトの特徴は、単なる点検サービスにとどまらず、補修作業まで一貫して対応できる点にある。点検によって異常が確認された場合、同社の補修チームが迅速に対応し、風力発電設備の稼働率を維持する。
「風車のメンテナンスでは、点検後の補修作業が課題となります。ドローンによる点検で異常を発見した場合、すぐに補修計画を立てることで、運用停止時間を最小限に抑えられます」と担当者は説明した。
また、橋梁やダムなどの大型インフラの点検にも同様のアプローチを適用。これまで橋梁点検車やクレーンを使用していた点検作業をドローンで代替することで、大幅なコスト削減が実現可能だ。担当者は「例えば、橋梁点検車は1日あたり80万円から100万円のコストがかかりますが、ドローンを活用すれば半分以下に抑えられるケースもあります」と語った。
ドローン普及の課題と今後の展望
ドローンの点検技術は広く認知されつつあるが、導入コストや活用方法に関する理解が進んでいない現状もある。特に自治体などでは点検のみを実施し、補修まで手が回らないケースも多く見られる。「今後は、点検費用を抑えることで補修に予算を回せるというメリットを、より多くの利用者に訴求していきたい」と担当者は語った。
アルビトは、風力発電をはじめとするインフラメンテナンスの最適化を目指し、ドローンを活用した新たなソリューションを提供している。今後のさらなる技術進化と普及が期待される。
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