2025年1月17日、Terra Drone(以下、テラドローン)は、オランダのSBM Offshore、ノルウェーのBW Offshoreと協業し、ドローンを活用した洋上原油貯蔵タンク検査に関する実証実験を実施したことを発表した。

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 SBM OffshoreおよびBW Offshoreは、FPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)運用企業。今回の実証実験は、両社が運用する各FPSOにおけるドローンを用いた原油貯蔵タンク内の検査となる。機体は、船級協会ABS(米国船級協会)によるクラス認定を受けたテラドローンの「Terra UT Drone」(超音波探傷検査機器を搭載したドローン)を活用した。同機は、拡大鏡や内視鏡を使ってタンク内の表面や内部を視認して亀裂や腐食を発見することや、超音波でタンクの厚さを測定し、タンク内の腐食や摩耗を確認することができる。

【実証実験の実施場所】

  • SBM Offshore:ブラジル
  • BW Offshore:アメリカ、イギリス、ガボン

 従来のFPSOにおける原油貯蔵タンクの検査は、作業員が高所や狭所で作業する必要があり、危険を伴うことが課題となっていた。タンク内の安全区域からドローンを操作することで、より安全に検査を実施できるほか、最小限の作業員数でオペレーションリスクを軽減しながら作業効率を向上させる。検査時間を大幅に短縮し、タンクの停止時間を最小限に抑え、生産性の向上に寄与する。

 テラドローンは、ABSクラス認定を受けたプロバイダーとして、Terra UT Droneを活用したFPSOの原油貯蔵タンクの検査を行い、点検事業を拡大してきた。SBM OffshoreとBW Offshoreは、2025年までにFPSOの原油貯蔵タンクの検査へのドローン導入を強化し、作業員の安全性とオペレーション効率の向上を目指すとしている。