香川県小豆島町、小豆島・瀬戸内エリアマネジメント協会、JTB、エイトノット、シナネンモビリティPLUSは、船の制御や障害物の検知を自動で行い船員をサポートするAI自動運転ボートの航行実証を、2024年11月22日より開始する。

 AI自動運転ボートは高度な操船技術を必要とせず、陸上の交通状況にも左右されないことから、島民や観光客の新たな交通手段として期待されている。既存の路線バスやシェアサイクルといった二次交通・三次交通を組み合わせた多様な移動手段を実現し、オーバーツーリズムの課題解決と合わせ、瀬戸内の景観美を楽しみながら移動できる島内周遊の実現を目指す。

小型船舶向け自律航行プラットフォーム「エイトノット AI キャプテン」

写真:画面に表示された地図をタッチする様子
タッチパネルで航路選択
地図に示された航路
AIが自動で航路設定

 小豆島の公共交通機関は十分とは言えない状況で、特に繁忙期やイベント時には、観光客の増加による公共交通機関の混雑や、島唯一の国道も島外からの車の流入によって交通渋滞が発生するなど、オーバーツーリズムが課題となっている。また、少子高齢化により運転手などの働き手も不足している。

 これらの課題に対応するため、「20年先の小豆島をつくるプロジェクト」の第3弾として、AIを搭載した自動運転ボートを活用した航行実証を行い、将来的な実装を目指す。

 AI自動運転ボートによる海上ルートと、2024年8月に導入した最新式のシェアサイクル、既存の路線バスを組み合わせることで、新しい小豆島の周遊ルートを構築する。

実証実験の概要

実施期間:2024年11月22日(金)~30日(土)
実証ルート:1日1便、①~③のルートを運航する(11月22日は③の運航なし)
 ① エンジェルロード → 三都半島・神浦
 ② 三都半島・神浦 → 道の駅小豆島ふるさと村
 ③ 道の駅小豆島ふるさと村 → エンジェルロード
使用船舶:旅客定員12名(総トン数10トン・全長11.88m)
 ※実証では事業許可を保有した運航事業者の船員が運航する

小豆島のシルエットに示された①~④の運航ルート(航路④は今回の実証期間外に検証)
実証ルート

20年先の小豆島をつくるプロジェクト

 小豆島は宿泊施設の老朽化やキャパシティ不足、飲食店の不足、二次交通の脆弱性といった要因により、来島者の約7割が島内に宿泊しておらず、経済効果が極めて限定的となっている。このプロジェクトでは、第1弾として2024年8月1日より、IoTを搭載した最新式のシェアサイクル専用車両160台を導入し、島内のサイクルステーションを拡大することで、来島者の利便性向上と島内の周遊促進を図っている。また、第2弾として、アクセルやハンドルを自動で制御してドライバーをサポートする「レベル2」段階での自動運転バスの走行実証を9月12~17日に実施した。