2024年11月22日、キヤノンマーケティングジャパン(以下、キヤノンMJ)は、コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)ファンド「Canon Marketing Japan MIRAI Fund」を通して、ドローンと陸上輸送を融合した新たな物流インフラである新スマート物流「SkyHub」を展開するエアロネクストに出資したことを発表した。

Canon Marketing Japan MIRAI Fundのロゴ
Canon Marketing Japan MIRAI Fund
エアロネクストのロゴ
エアロネクスト

 エアロネクストは、新スマート物流SkyHubを社会実装することで、人口減少時代における過疎地物流の課題解決を目指すスタートアップ企業。

 SkyHubは、ドローン輸送と陸上輸送を用いた共同配送の仕組みで、物流各社の荷物を一時集積所である「ドローンデポ」に集積し、次世代輸送配送管理システム「SkyHub TMS」を用いて最も効率の良い配送方法を算定、その結果をもとにドローンまたは陸上輸送によって各家庭に荷物を届ける。

新スマート物流「SkyHub」概念図

 物流業界でも高齢化が進んでおり、「2024年問題(※1)」と言われる労働時間規制もあり、運び手不足が喫緊の課題となっている。また物流事業者は中小事業主が多く、多重下請け構造が効率化を妨げている。輸送能力の減少で最も早く影響を受けるのが過疎地である。

 エアロネクストは以下の3つの事業により、過疎地を含む地域社会のラストワンマイル物流に関わる課題解決に取り組んでいる。

1.物流ドローンにおける独自技術「4D GRAVITY」の特許を保有し、各ドローンメーカーにライセンスを提供。
2.エアロネクスト100%子会社の「NEXT DELIVERY」 がSkyHubを地方自治体で運営。
3.SkyHubのノウハウやツール、オペレーションの一部を「SkyHub Provider License」として運送会社に提供し、ラストワンマイル配送の効率化に貢献。

 キヤノンMJは、エアロネクストが物流用ドローンにおける強力な特許を持っている点や、ドローンを活用した物流という新しい概念を日本各地に導入してきた実績、そして規制改革につながる政策提案の実行力から、今回の資金調達に参画した。本出資を通じて「レジリエントな社会を支える物流インフラの実現」をテーマとする新たな事業の創出を目指すとしている。

※1 2024年問題:2024年4月から施行された働き方改革関連法により、トラックドライバーの時間外労働時間が960時間に制限されたことに伴い、物流業界で生じる人手不足をはじめとした諸問題のこと。