2024年11月11日、KDDIスマートドローンは、米国SkydioのAI搭載自律飛行ドローン「Skydio X10」が上空電波(4G LTE)に対応し、国内での出荷を開始したことを発表した。

 長距離遠隔飛行・リアルタイム映像伝送・通信冗長化が可能となり、これまで難しかった、ダムやプラントなどの広域インフラ施設の点検や巡視、近年激甚化する大規模災害時の広域状況把握が可能となる。

飛行するSkydio X10、ユースケースの説明図(暗闇での自律飛行技術)
左:Skydio X10、右:ユースケース

 また同社はこれに合わせ、機体購入と回線契約の同時申し込みで上空電波が通常価格より4割引で導入可能なキャンペーンを、2024年12月31日まで実施する。

「Skydio X10×上空電波」飛行実証実験

 同社は、Skydio X10を上空電波(4G LTE)で飛行させる実証実験を福島県南相馬市で実施した。

 実証では、操縦者から10km以上離れた地点にドローンを配置して、上空電波により遠隔で飛行指示を行い、10km以上の長距離飛行に成功した。また、Wi-Fi通信と上空電波による通信の切り替えを確認するとともに、リアルタイム映像伝送により飛行状況を複数地点からモニタリングした。

 この実証により、Skydio X10と上空電波を活用することで、長距離・遠隔飛行による広域の点検や巡視、リアルタイム映像伝送による飛行状況の多地点配信、Wi-Fi通信と上空電波による通信の冗長化が可能であることを確認した。

実施日2024年10月4日
実施場所福島県南相馬市(福島ロボットテストフィールド横の海岸)
利用機体Skydio X10
実験成果・10km以上の長距離・遠隔飛行に成功
・リアルタイム映像伝送により、複数地点から飛行中のモニタリングが可能
・Wi-Fi通信と上空電波による通信の冗長化
「Skydio X10×上空電波」飛行実証実験
ドローンが映した海岸の様子、左下にサーマル画像(通信画面)
リアルタイム映像伝送の様子