日本マルチコプター協会(以下、JMA)は、2024年9月2日、特殊小型船舶の遠隔操縦化による無人航行実証実験を実施した。水上バイクをもとに開発した無人艇(マリンドローン)について、約200mの安定した遠隔操作とリアルタイム映像転送を確認した。

写真:水上に浮かぶ無人艇(マリンドローン)
遠隔操縦システムを搭載した無人の特殊小型船舶

 実証実験では、同社の特許である水上監視システムを使用した、特殊小型船舶(水上オートバイ)の遠隔操縦化後の評価を行った。

 FPV(First Person View)による制御能力や操縦の安定性、無人航行中のマリンドローンから送られた映像の視認性等の評価を実施し、約200mの距離において安定した遠隔操作と映像のリアルタイム転送を実現した。

 無人艇化した遠隔操作可能な水上ドローンは、マリンドローンとして、密漁監視、養殖管理、海上輸送や救助活動、海洋調査など多岐にわたる分野での利活用を想定している。

写真:マリンドローンが撮影した映像が映るモニターを確認する人
リアルタイム伝送動画(360度全景)を大型モニターで確認する様子

 今後、業界イベント出展による認知拡大や、ニーズに合わせた一般企業へのアピール、防衛省や消防庁向けの導入を目指す。新たな運用フェーズとして完全自律航行を見据え、自動航行プログラミングソフトとの連携によりさらなる効率化を図る。また、水上バイクメーカーとの協業(協力)も視野に入れ、技術の改良および市場拡大を進めるとしている。

写真:マリンドローンの設備
360度の視野角をカバーする監視システム(右)と遠隔モジュール(左)

▼マリンドローン
https://marinedrone.jp/