JDRONEは、2024年7月1日、山岳地帯や森林・山林環境に特化した物資輸送ドローンの運用サービスを開始した。これまで活用してきた無人ヘリコプター「FAZER R G2」に加え、DJIが2024年に発売した電動マルチコプター「FlyCart 30」を導入することで、多様なドローンによる輸送ニーズに対応する。

 DJI FlyCart 30は運搬・配送に特化した設計で、過酷な気象条件下での安定的な飛行や精度の高い荷下ろしが可能。火山地域などフィールドワークが難しい環境での調査観測装置や建設資材の運搬、森山林における苗木や山小屋への生活用品の輸送、災害発生時の物資輸送などに対応する。

DJI「FlyCart 30」

 農業用ドローンとして開発された機体をベースとしており、重量のある荷物の運搬が可能。最大積載可能重量は30kg。強力な2重反転の8枚ローターと高度なバランス制御技術により安定した飛行を実現する。最大飛行距離16km、最大風圧抵抗12m/s、最大飛行高度6,000m、保護等級はIP55。過酷な高度や気象条件下での配送業務にも対応する。

写真:荷物を吊り下げて飛行する「FlyCart 30」

ヤマハ発動機「FAZER R G2」

 ヤマハ発動機製の産業用無人ヘリコプター。薬剤散布などの豊富な航行実績を持ち、JDRONEでは原子力発電所周辺における放射線量測定等の環境調査を手掛けている。衛星通信システム搭載モデルは、航続距離90km、時速80km/h、フライト時間100分、最大積載可能重量33kgの能力を有し、電動マルチコプターでは困難な長時間・長距離の物資輸送が可能。

写真:ヤマハ発動機製「FAZER R G2」

使用機体と通信環境

写真:「FlyCart 30」と「FAZER R G2」のスペック