富岳通運、セイノーラストワンマイル、NEXT DELIVERYは、2024年6月28日、新スマート物流SkyHubの山梨県全域への拡大と災害発生時のフェーズフリーな防災インフラづくりに向けた業務提携契約を締結した。

 新スマート物流SkyHubにより、輸送効率の向上や環境負荷の低減、利便性維持、さらに物流2024年問題に代表される物流課題に対応していく。また、継続性があり災害発生時の緊急物資運搬等を担うフェーズフリー型の地域物流インフラを構築、推進する。

 富岳通運とNEXT DELIVERYは、同業務提携に先駆け、2024年6月20日にSkyHub Provider License(以下SPL)契約を締結。SPLとは、NEXT DELIVERYが全国展開してきた新スマート物流SkyHubサービスをパッケージ化し、独自開発した配送管理システムSkyHub TMSとドローン運航オペレーションを、地域物流を担う運送会社に第三者提供するもので、2024年2月の大分県中津急行に続き2例目の契約締結となる。

画像:SkyHub Provider License契約締結
画像:SkyHub TMSの注文一覧画面
配送管理システムSkyHub TMS画面

【業務提携内容】

1. 新スマート物流SkyHubの推進
2. フェーズフリー型の地域物流プラットフォームSkyHub Emergency Packageの構築、提供
3. SkyHub共同配送サービスの山梨県全域への拡大

 富岳通運、セイノーホールディングス、エアロネクスト、NEXT DELIVERYは、2023年8月に新スマート物流SkyHubの実装地域である小菅村と隣の丹波山村への配送業務において、物流2024年問題に向けた取り組みとして、協同して中山間地域の配送網の維持、再構築を目的に共同配送を開始している。

 今後は物流システムを連携させ、ドローン配送も組み込みながら、地域物流の効率化と地域社会の課題解決を目指し、山梨県下全域に地域物流サービスとしての新スマート物流SkyHubを導入しておくことで、災害時には物流ドローンなどを活用して緊急物資配送をスムーズに行うフェーズフリー型の地域物流プラットフォームSkyHub Emergency Packageを構築、推進していく。

【各社の役割】

富岳通運
SkyHub TMSと富岳通運の物流システムの連携による物流効率化と荷物取扱量の増加
小菅村で開始した共同配送サービスの山梨県全域への拡大のための体制整備
災害協定を締結している山梨県内の自治体との新スマート物流SkyHub連携

セイノーラストワンマイル
富岳通運との関係性をベースにしたプロジェクト全体のマネジメント
全国で展開している新スマート物流SkyHubのノウハウの提供

NEXT DELIVERY
全国で展開している新スマート物流SkyHubのノウハウの提供
富岳通運に対するSPL提供(輸配送管理システムSkyHub TMSの提供・ドローン配送のノウハウ、運航サポート・各種商標の使用許諾)
新スマート物流SkyHubに関する山梨県内の自治体との関係構築全般

写真:小菅村・丹波山村 特積み物流会社共同配送 出発式
2023年8月、小菅村・丹波山村での特積み物流会社の共同配送開始の出発式の様子(道の駅こすげ)

 セイノーホールディングスとNEXT DELIVERYの親会社エアロネクストは、2021年1月に無在庫、無人化を実現する新スマート物流の事業化に向け業務提携契約を締結。既存のトラック配送にドローン配送を組み合わせて地域物流の効率化と地域社会の課題解決を推進する新スマート物流SkyHubを共同開発し、山梨県小菅村をはじめ全国の複数地域で社会実装している。NEXT DELIVERYは、地域における新スマート物流SkyHubのサービス運営を推進している。

 セイノーラストワンマイルは、物流のラストワンマイルに関する課題解決のため、セイノーグループにおける迅速な意思決定と連携強化を目的に、2024年4月に設立。ラストワンマイル関連事業の企画・開発やオープンイノベーション、システム開発・運用、シェアードサービスを提供している。

 富岳通運は、山梨県下最大手の輸送会社で、西濃運輸の山梨県全域における代理店も務める。山梨県における、特別積み合わせ貨物や共同配送等の輸送事業を拡大するとともに、近年では倉庫事業、流通事業、警備業等各分野を拡充している。