2024年6月28日、SkyDriveは、タイのSaha Pathana Inter-Holding(以下、サハ・パタナ・インター・ホールディング)、サハ東急コーポレーション(以下、サハ東急)と、空飛ぶクルマ「SKYDRIVE(SD-05)」を活用したタイでの事業検討に関する覚書を締結したことを発表した。

 サハ・パタナ・インター・ホールディングは、タイの財閥であるサハ・グループの傘下企業。チョンブリ県シラチャ郡をはじめとする工業団地の開発や新規事業への投資を行い、工業団地内に小型機用の民間飛行場を備えている。サハ東急は、シラチャにおいて賃貸住宅を主とする不動産事業を行う、東急とサハ・グループとの合弁会社だ。

 タイでは、シラチャをはじめとする日系企業の工業団地への進出により経済成長が促進されている一方、自動車による交通渋滞や排気ガスによる環境汚染が深刻な社会課題となっている。これを受け、渋滞の緩和や環境への配慮から多様な移動手段の活用が期待されている。

 同契約に基づき今後3社は、タイのシラチャ、パタヤ、プーケットなどでSKYDRIVE(SD-05)を活用したユースケースを検討する。また、これらのユースケースを日本に逆輸入し、東急グループの街づくりにおけるエアタクシー事業の検討を行うなど、さらなる事業展開の可能性を模索するとしている。

写真:調印式
バンコク「Saha Group Fair2024」で行った調印式の様子(2024年6月28日)。左から、サハ東急 取締役社長 須山真慈氏、SkyDrive代表取締役CEO 福澤知浩氏、サハ・パタナ・インター・ホールディング最高経営責任者兼取締役会長 Vichai Kulsomphob氏。

各代表コメント

SkyDrive 代表取締役CEO 福澤知浩氏

 この度、タイを代表する企業であるサハ・パタナ・インター・ホールディングおよびサハ東急と提携でき、大変嬉しく思います。経済成長が著しいタイではありますが、自動車による交通渋滞やそれに伴う排気ガスによる環境汚染が深刻な社会問題となっています。コンパクトでCO2を排出しないSKYDRIVEが、この社会課題の解決に寄与できると考えております。今後、タイでの事業検討に向け、3社間で協議を進めてまいります。

サハ・パタナ・インター・ホールディング 最高経営責任者兼取締役会長 Vichai Kulsomphob氏

 当社は、工業団地開発業者として、公害を減らし、長期的な持続可能性を目指す技術開発を推進しています。これまで日系企業は、タイ各地の工業団地に生産拠点を拡大しました。その結果、輸送部門が成長し、燃料消費量が大幅に増加、それと同時に、輸送やロジスティクスにおける環境への懸念も引き起こしていました。そのため、環境負荷を大幅に削減しながら、より安全で、より便利で、より迅速な別の移動手段を模索していました。SkyDriveのゼロ・エミッションのeVTOLは、タイにおける環境負荷低減と事業拡大を実現できる可能性があると考え、当社、サハ東急、SkyDriveの3社による協業が実現しました。

サハ東急 取締役社長 須山真慈氏

 本年、創立10周年を迎える当社は、これまでサハグループと東急グループそれぞれの知見とノウハウを結集し、製造業を中心に日系企業の進出が進むタイ・シラチャにおける住環境の創造を目指して事業を行ってきました。この度、世界が注目する新しいモビリティ形態である空飛ぶクルマを開発する日本のトップ企業SkyDriveとサハグループと共に、タイにおける事業検討に向けた協議を始められることを大変光栄に思います。SkyDriveのような先端企業のタイへの進出を支援し、新たな産業により集う人々への不動産サービスの提供を含め、地域を一層活性化させることに尽力し、タイの地域社会、経済に貢献していけると信じています。