2024年6月4日、エバーブルーテクノロジーズは、開発中の小型無人自動除雪機の製品モデル「除雪ドローンV3」を発表し、2026年のサービスインに向けた仮予約を開始した。

「除雪ドローンV3」試作機 ※画像は開発中の試作機で製品モデルとは異なる。

 同社は2023年に「除雪ドローン」の開発を開始し、同年6月に「除雪ドローンV1」モデルを発表。より高性能・小型化に向け、同年10月に「除雪ドローンV2」を発表した。

 V2は、スズキ製電動モビリティベースユニットを利用したプロトタイプで、V1よりも広い範囲を長時間除雪することを目的に、2023年12月から2024年3月にかけて北海道で開発および雪上実験を実施。あわせて排土板の改良や駆動用タイヤの変更、自動除雪アプリの開発などを進めてきた。

左が除雪ドローンV1、右がV2

 東日本電信電話と共同で、2024年2月に山形県小国町、2024年3月に山形県酒田市で「地域の除雪課題に関する自動除雪実証実験」として運用テストを実施。積雪を検知して自動的に除雪を開始する実験に成功した。

 今回発表する除雪ドローンV3は製品化予定モデルであり、V2の実証実験を踏まえ、小型無人自動除雪機に最適化したオリジナル除雪装置をV3用に新設計した。

「除雪ドローンV3」プロトタイプイメージ
除雪ドローン専用プロポ

 水上ドローン用に開発された自動制御ユニット「eb-NAVIGATOR」を改良し、小型無人自動除雪機に最適化。衝突被害軽減装置としてセンサーの拡充や非常停止機能を追加し、車載カメラの映像を手元のプロポ(コントローラー)でリアルタイムに見ることもできる。

 自動除雪アプリは、除雪エリアを地図上で設定することで、エリア内の除雪を自動的に実施。メール受信を契機に自動除雪を開始したり、タイマー設定で定時に除雪を行う機能を備える。

 除雪ドローンは2024年12月より限定ベータテスターへのテスト導入を開始し、2026年初めより本格サービスインを予定している。

【「除雪ドローンV3」試作機スペック】

形状電動モビリティ
サイズ全長1.3m × 全幅0.9m × 全高1.0m(排土板等搭載機器含む)
装備重量約100kg
最高速度前進 6km/h、後進 6km/h
実用登坂角度8度(走行路面状態によって変化)
連続走行距離30km(常温、積載100kg、平たん路にて前進最高速度で走行時)
稼働時間5時間(常温、積載100kg、平たん路にて前進最高速度で走行時)
バッテリーSC38-12(12V35Ah)× 2
推進方式DC24V・210W × 2(30分定格出力)
安全性能非常停止ボタン/障害物検知センサー
その他装備自動制御ユニット「eb-NAVIGATOR」/アプリ「 自動除雪アプリ」