2024年5月23日、テラドローンは、同社子会社でベルギーに拠点を置く運航管理システム(UTM)(※1)プロバイダーのUnifly(以下、ユニフライ)が、米国連邦航空局(FAA)が主導するドローンなどの小型無人航空機システム運用プロジェクトに参画することを発表した。

※1 運航管理システム(UTM):同じ空域を飛行する複数の無人機を安全・効率的に運航するためのプラットフォーム。

 このプロジェクトは、FAAを中心に米国領空でのドローンの統合について研究を進める、世界の29の研究機関と100を超える主要な産業界および政府パートナーで構成されるアライアンス「ASSURE(the Alliance for System Safety of UAS)」の一環として行うもの。総額約9,000万ドル(約140億円)の資金をかけて米国の複数のパートナー大学と共同で実施する。

 航空機との衝突を回避するなどドローンを安全に運用するため、現在業界で定められている有人航空機との飛行間隔の基準をはじめ、安全なドローン飛行に必要とされる要件を検証し、航空機の飛行を妨げることなく安全な空域統合の実現を目指す。

プロジェクト概要

 プロジェクトは、無人航空機システムの研究拠点(UAS COE)、ミシシッピ州立大学、カンザス大学、ノースダコタ大学、ウィチタ州立大学など複数の大学と共同で実施する。業界標準を基にした現行基準の評価をはじめ、必要に応じた基準の改良や、ドローンと航空機の衝突回避(Detect and Avoid=DAA)の要件定義における課題への対応などを行い、DAAのために維持する必要がある有人機との安全な間隔などの基準を検証する。

 プロジェクトでは、ドローン同士やドローンと有人航空機が遭遇するパターンを想定し、安全な飛行に重要な間隔などの基準に関する飛行試験を実施する。この飛行試験の中で、飛行計画をはじめ、リアルタイムの適合性の監視やアラートのためにユニフライのUTMプラットフォームを使用する。UTMのAPI機能を通して、飛行計画や追跡データ、分離しきい値などを複数の関係者間で共有する予定だ。