2024年4月9日、FINDiは、水中ドローン(ROV)シミュレーター「FF Virtual」を開発し、2024年6月より提供を開始すると発表した。販売価格はオープン。

 同製品はインフラ調査に特化した水中ドローンシミュレーターで、インフラ構造物の水中調査に必要な特殊操作スキルを現場に行く前に身につけることができる。

FINDiが開発する水中ドローンFFシリーズ
インフラ構造物を忠実に再現する「FF Virtual」

 水槽や放流渠(ほうりゅうきょ)、管路内など、インフラ構造物によくある常に水に浸かっている壁面や見えにくい天井面を水中ドローンを用いて調査するには、特殊な操作スキルが求められる。

 例えば、調査対象の壁面を正面に映しながらの横移動や、濁水環境では可視光カメラでは見えない範囲を音響ソナーを頼りに航行する、柱が多数あるなど複雑な形状の構造物内ではケーブルが絡まないよう注意するなどのスキルが必要となる。しかし練習を行う環境がなく、稼働している実施設の中では操縦トレーニングを行うことはできない。

 FF Virtualは、現場に行かずに実施できる現場さながらのバーチャルトレーニングを実現。地下水槽やボックスカルバートの内部、停泊した大型船舶の船底などのフィールド、水中ドローンの細かな挙動、音響ソナー、ライトの照射、着底した際の沈殿物の巻き上げなどをリアルに再現する。

実際の水中ドローン「FF1」操縦画面
「FF Virtual」で再現した操縦画面
5段階で調整可能な濁度

【トレーニングフィールド】
円形配水池、大型船船底下、地下貯水池、コンクリート管、ボックスカルバート、破棄された航空機、海底。

大型船舶の船底
物理演算で再現したテザーケーブル
コンクリートの汚れや堆積なども表現
大小さまざまな管路