2024年4月5日、イームズロボティクスは、目視外による空の物流を可能とする最新型ドローン「イームズ式E6150TC型」(以下、E6150TC)を発表した。国土交通省は同日、航空法に基づく安全基準および均一性基準に適合した第二種型式認証の物流用途機体としてE6150TCを認定している。
機体認証を取得し、立ち入り管理措置を講じた上で、無人航空機操縦士技能証明を取得した者がE6150TCを飛行させる場合、国土交通省の許可・承認が必要な特定飛行(目視外、夜間(目視内)、人口集中地区(DID)上空、人または物件から30m未満の飛行)を申請せずに実施できる。
E6150TCの最大離陸重量は24kg、最大搭載重量は6kg。宅配荷物、郵送物、食料品、日用品、雑貨、医療品などを積載でき、用途に合わせて必要なものを迅速に輸送する。
同機を活用することで、実証実験ベースではなく本格的なドローン物流ビジネス参入が可能になるとしている。
E6150TCはイームズロボティクス、イームズロボティクスパートナー企業が販売する。価格はオープン。保険のセット販売可。2024年4月より出荷予定。
従来は、操縦者がコントローラー(プロポ)を使い、飛行中のドローンを直接目で見ながら操作する必要があったが、E6150TCは目視外飛行が可能。機体に搭載したカメラの映像をPCモニターで確認しながら操作でき、ドローンは専用PCでプログラミングされたコースを自動飛行する。また、自動離着陸機能も備えている。
機体はLTE通信で制御され、テレメトリ(ドローンのステータス情報など)やカメラから取得した映像をGCS(Ground Control Station)に伝送する。オペレーターはPC上に表示された位置情報、機体情報、映像情報を確認しながら安全に運航を実施できる。
航空法の改正により、2022年12月に「無人航空機操縦者技能証明制度」等が創設された。無人航空機を飛行させるのに必要な技能(知識および能力)を有することを証明する資格であり、「一等無人航空機操縦士」と「二等無人航空機操縦士(以下、二等資格)」の2つの国家資格が制定された。
⼆等資格は、カテゴリーⅡ⾶⾏(無⼈航空機の⾶⾏経路下において⽴⼊管理措置を講じたうえで行う特定⾶⾏)の知識・能⼒を有することの証明となる。
E6150TCは、⼆等資格を取得しその他の条件を満たせば、カテゴリーⅡBの特定⾶⾏の許可・承認⼿続きが不要になる。
型式認証は「安全性基準および均一性基準に適合している」と認められた機体に交付される。型式認証を取得した機体は、ユーザーが「機体認証」の申請をする際に、検査の手順を大幅に省略でき、さらに機体認証書取得のための手数料が安くなる。
機体性能
機体種別 :回転翼航空機(マルチコプター)
型式名称 :イームズ式E6150TC型
型名 | イームズ式E6150TC型 |
メーカー | イームズロボティクス |
寸法(W×D×H) | 2,015×2,216×754(mm) |
機体重量(バッテリーとブレード含む) | 18.0kg |
最大離陸重量 | 24.0kg |
最大搭載重量 | 6.0kg |
最大飛行時間 | 最大35分(飛行条件による) |
最大飛行距離 | 最大17km(飛行条件による) |
最大上昇速度(完全自動飛行時) | 5m/s |
最大下降速度(完全自動飛行時) | 5m/s |
最大運用速度(対地速度/完全自動飛行時) | 10m/s |
運用温度 | 5~40℃ |
GNSS対応衛星 | GPS/GLONASS/Galileo/BeiDou |
リモートID | 搭載 |
【プロポ】
動作周波数 | 2.4000~2.4835GHz |
最大伝送距離(障害物、電波干渉がない場合) | 1,000m(見通し) |
バッテリー | ニッケル水素電池 6.0V / 1,800mAh付属 |
【バッテリー】
容量 | 21,200mAh |
電圧 | 22.2V |
バッテリータイプ | Li-Po 6S1P |
正味重量 | 2.7kg |
【アプリ/ライブビュー】
GCSアプリ | ミッションプランナー(ver1.3.80) |
GCS OS | Windows 11 |
【周辺サービス】
ドローン機体管理・サポート基盤パッケージサービス「DOP SUITE(ドップスイート)ver.1.0」に対応。ドローン・ジャパンが提供するDOP SUITEは、ドローンの安定的・安全性の高い運用管理を行うための機体ログ(Data Flash Log)活用クラウドサービス。機体管理の強化、運用リスクの低減、安定運用コストの予算化、サポートの迅速化、飛行記録の効率化が可能だ。
E6150TCの運用後に機体ログデータをDOP SUITEにアップロードすることで、機体管理や飛行レポートの管理が行いやすくなる。型式認証機体は従来のドローンに比べて詳細な機体管理が必要になる。万一の事故(インシデント)や日常点検時の不具合の際もWEBでメーカーへ報告することができる。