石川県能美市とNEXT DELIVERYは、2024年3月28日に新スマート物流の構築に向けたドローン配送実証実験を実施した。

こくぞう里山公園を離陸する物流専用ドローン「AirTruck」

 今回対象とする能美市の宮竹小学校区は、人口2,349人、外国人が497人と21%が外国人であり、北陸先端科学技術大学院大学の学生と教員が住む旭台を除いた場合、高齢化率は34.6%と市内エリアとしては高い数値となっている(能美市の高齢化率は約27%)。なお、生活する上で車の運転は必須だ。

 買い物については、エリア内の日用品小売りが1店舗、作り酒屋が1店舗と極端に少なく、移動スーパーが定期的に来ている。それ以外の買い物は、隣接する白山市鶴来地区や能美市辰口小学校区まで、車やバス、民間タクシーを利用しなければならない。

実施内容

 3月28日、ドローンを活用した買い物弱者対策による日常生活の利便性の確保、地域住民の理解度向上を目的としてドローン配送の実証実験を実施した。

 買い物不便地域に対するフードデリバリーを想定し、まずは車で能美市辰口町のカレーのチャンピオン辰口店からこくぞう里山公園まで配送し、こくぞう里山公園から北陸先端科学技術大学院大学グラウンドにドローンで空輸した(片道距離5.5km、約12分)。

 機体は、エアロネクストとACSLが共同開発した物流専用ドローン「AirTruck」を使用した。可搬重量(ペイロード)は最大5kg、最大飛行距離は20km。

離陸したドローン(北陸先端科学技術大学院大学)
配送物を受け取る様子(北陸先端科学技術大学院大学)
ドローンで配送したカレー