プロドローンは、2024年3月27日、高知県黒潮町、クオールホールディングスとともに、同町でレベル3.5飛行のドローン配送を実施した。

 レベル3.5飛行は、デジタル技術(機上カメラ)、操縦ライセンスの保有、保険加入を条件として、レベル3飛行(無人地帯における目視外飛行)で必要とされている補助者・看板の配置や一時停止等の立入管理措置を撤廃し、道路や鉄道等の横断を容易化したもの。

 高知県黒潮町は、人口減少や少子高齢化の進行により、特に中山間地域における住民の日常生活支援が課題となっている。同実証では、交通弱者、特に高齢者の日常の買い物などの問題に対処するため、ドローンを活用した物資輸送の有効性について検討を行った。

 ドローン輸送における物流運用を実践し、黒潮町で運用を想定している各拠点(商店等)からドローンの発着点までの輸送、ドローンの帰着点から各個人宅への輸送について、各運用の有効性と問題点を抽出した。

 レベル3.5飛行は気象状況の確認も義務付けられており、気象観測予報装置を緊急着陸地点と着陸地点に設置し、リアルタイム観測を行った。また、保冷品の輸送も想定し、TOPPANエッジの協力を得て保冷コンテナでの輸送実証も実施した。

実証ルート(PD-GCS画面)

 実証当日は、高知県黒潮町役場本庁と集落活動センター北郷間の4.3kmを、プロドローン製「PD6B-Type3」を使い、3kgの日用品を約20分かけて往復した。⾞や歩⾏者の有無をドローンからの映像で常に確認しながらレベル3.5飛行を行った。また、決⼼点(道路を横断するかしないかの分岐点)が通過⼿前の60m程度の距離から8m/sで通過する運用も実施した。

ドローンを操縦する様子

 実証に立ち会ったドローン操縦士の鵜飼大樹氏は「今回の運用では、決心点を意識しました。適切な安全管理を実現するためには、リスクマネジメントの重要性が高く、この点において、ライセンス制度が重要な役割を果たしていると考えています。レベル3.5の飛行に適した運用をサポートするために、今後のドローン開発では、これに特化した機能の強化を期待しています」と述べている。