ACSLは、同社と日本郵便が共同開発した物流専用の新型ドローン（通称：JP2）による、補助者なし目視外飛行（レベル3.5）での配送試行（実際の荷物を搭載したテスト飛行）を2024年3月4日から実施し、21日に実際に荷物を配送する模様を報道公開した。実施場所は、兵庫県豊岡市の出石郵便局集配エリア。

　レベル3.5飛行は、従来のレベル3（無人地帯での目視外飛行）で必要とされる立入管理措置（補助者・看板の配置）をデジタル技術（機上カメラ）の活用により撤廃し、操縦ライセンスの保有と保険の加入により道路や鉄道等の上空の横断を容易にしたもの。

物流専用の新型ドローン（通称：JP2）

　ACSLと日本郵便および日本郵政キャピタルは、2021年6月に資本業務提携契約を締結し、物流専用ドローンの開発に取り組んできた。新型ドローンは、ACSLと日本郵便が取り組んできたドローンの配送試行で使用してきた機体「PF2」に比べ、ペイロードと航続可能距離が大幅に増加している。また、荷物の搭載方法の簡便化など実際の物流オペレーションを考慮し、社会受容性を意識したデザインを重視しながら、レベル4飛行（有人地帯上空での補助者なし目視外飛行）が可能な第一種型式認証の取得を想定した設計・仕様になっている。

　ACSLは、2024年4月以降の早期に、物流専用新型ドローンの第一種型式認証申請を目指すとともに、日本郵便によるドローン配送の実用化を支援するとしている。

新型ドローンが荷物を置き配する様子。
ACSL代表取締役CEO 鷲谷聡之氏（左）が、兵庫県知事 斎藤元彦氏（右）に 飛行ルートなどを説明する様子。
（左から）日本郵便執行役員 五味儀裕氏、兵庫県知事 斎藤元彦氏、兵庫県豊岡市市長 関貫久仁郎氏、ACSL代表取締役CEO 鷲谷聡之氏。
新・旧機体スペック比較表