エアロセンスは、2024年3月8日、静岡県が実施したドローンによる医療機器の長距離輸送の実証実験において、垂直離着陸型固定翼ドローン（VTOL）「エアロボウイング」の運航を行った。
静岡県は、次世代エアモビリティ産業を創出し、新たな企業の参入や産業集積を推進して、無人航空機（ドローン）や空飛ぶクルマ等を活用した新しいビジネスモデルの確立や社会実装を目指している。今回の実証実験はその一環として「医療機器の長距離輸送」をテーマに、ドローン配送における受注から引き渡しまでの運用とコストを検証し、商用化の実現を目的に実施した。
実施概要
2024年3月8日、10時30分に静岡市内の医療機器商社（図のA地点）を離陸し飛行を開始。大谷川沿いを南下した後、駿河湾を横断して沼津市内の海水浴場の駐車場（B地点）まで、約36kmの距離を約70km/hで飛行し、約35分で目的地に医療機器を配送した。
同実証実験は3月7日に実施したが強風のため飛行を中断、翌日に順延となり飛行を実施した。
静岡県は次世代エアモビリティ産業の実現に向け、無人航空機の試験飛行を行える場所を拡充するため、旧三保飛行場を実証フィールドとして、伊豆半島が災害で孤立した場合にドローンを活用し遠隔で被害状況の確認や物資輸送などを運用することについても検討を進めている。
エアロセンスは現在、次世代の大型VTOLの開発に着手しており、2025年以降にハイエンド機体として製品ラインアップに追加する予定である。同社は実証実験の代表事業者HMK NEXUSと協力し、今後も静岡県のプロジェクトに積極的に参加するとしている。