2024年3月16日、イーエムアイ・ラボは、ドローン搭載型要救助者捜索ユニットシステムの開発および実装に向けた実証実験を開始したことを発表した。

 家屋倒壊による捜索救助をいち早く行うため、ドローン搭載型の捜索ユニットおよびヒートマップ作成のアプリケーション開発、および実装に向けた実証実験を実施する。

ドローン搭載型要救助者探索ユニット

 ドローン搭載型要救助者探索ユニット「EMI-01s」は、携帯電話が発信する電波を受信し、専用のアプリケーションを用いて地図上に位置情報を可視化する。

 専用アプリケーション「EMI-IT_DISASTER_App」は、要救助者の位置情報をヒートマップ化し、遠隔地から被災地などへの情報共有が可能。地図をメッシュ化することで、救助隊員への位置の伝達も容易に行える。CSV出力したデータ(位置情報)を、別のドローンが捜索活動に活用することもできる。

ドローン搭載型要救助者探索ユニット「EMI-01s」
サイズ:W約230mm×D約130mm×H約10mm(アンテナ含まず)
重量:約1000g
ペイロード1kg以上のドローンに装着が可能(アンテナの変更あり)
ヒートマップ化した要救助者の位置情報

 2021年7月の「熱海市伊豆山土石流災害」や、2024年1月「能登半島地震」では、家屋倒壊による被災者が非常に多く、人命救助のタイムリミットとされる「72時間の壁」の中でいかに迅速に捜索・救助活動できるかが課題となった。

 同社は災害、救助の専門家、教育機関関係者とコンソーシアムを立ち上げ、開発と実証実験に取り組んできた。家屋が倒壊した際の居場所特定につなげるため、保有率が90%以上と言われる携帯電話を利用し、携帯電話から発している電波を増幅受信してGPSと併用することで、被災者の位置情報を把握できるシステムの開発を行った。

 夕方や夜間に災害が発生した場合、捜索活動は早朝からとなる。EMI-01sを夜間に飛行させて要救助者の位置情報をヒートマップ化することで、早朝からの捜索場所を絞り込むことができる。

 今後実装に向けて、さまざまな場所で研究開発を実施、検証していくとしている。