2024年3月6日、エイトノットは、わっかが保有するサイクリスト向け海上タクシーに、自律航行プラットフォーム「エイトノット AI CAPTAIN」を導入したことを発表した。観光用途の船舶への搭載は今回が初めてだという。

 現行法上でも利用可能な一部機能を「自動操船アシスト機能」として提供し、船舶関連事業の課題解決や新たなビジネス機会の創出に貢献する。

 同社は2022年度に愛媛県デジタル実装加速化プロジェクト「トライアングルエヒメ」に採択され、自律航行小型EV船をわっかにレンタルして海上タクシー運航を行い、自律航行システムとして問題なく稼働することを確認した。一方、EV船特有の限定的な出力により、大三島周辺エリアの強い潮の流れに対応できない、バッテリー容量が限られて航行可能ルートが限定的になるという課題もわかった。

 2023年度も採択を受け、今回はわっかが保有するサイクリスト専用海上タクシー(エンジン船)に自律航行システムを実装して運航。自律航行システムを搭載することで暗い時間帯でも安全に航行できることから、通常の海上タクシーサービスに加えて、新たにサンセットクルーズというサービスの提供も実現した。

モニターを使って自律航行システムを操作する様子

わっか代表取締役 村上あらし氏のコメント

・人手不足や後継者不足で離島の航路が減便したり無くなる現状があるが、自動航行技術があればこうした課題を少なからず防ぐことができる。

・自動航行技術で船の位置や方向を自動で保ってくれるので、ひとりの船長でもできることが増える。例えば船を自動で保ってくれている間に船長がお酒をサーブしたり、船の魚釣りをする際に定点のポイントで止まることが自動航行だと実現できる。

2024年2月27日、28日に実施した乗船体験会
会場で説明する様子