2024年2月16日、テラ・ラボは、航続距離1000kmに向けて、滑走路が不要な長距離無人航空機「テラ・ドルフィンVTOL」の飛行試験を開始したことを発表した。

 洋上の長時間飛行にも耐えられるよう剛性が高く設計され、10時間以上、1000km以上の飛行を実現するモデルとして開発された機体で、2024年1月29日(愛知県)と2月14日(静岡県)に飛行試験を実施した。

 テラ・ラボが開発を進める固定翼型無人航空機「テラ・ドルフィン」は、翼長4mのMPPモデル(Multi Purpose Platforms、多目的プラットフォーム型無人航空機)。レシプロエンジンやジェットエンジンなど推進装置や観測装置を選べるなど、多様な用途に対応する。

 固定翼機は長距離飛行ができる一方、離着陸に滑走路が必要で運用上の課題となっている。その長距離飛行の特性を生かし、同社は滑走路が不要で垂直離着陸が可能な「新型テラ・ドルフィンVTOL」の実装化を目指している。

 テラ・ドルフィンは「2019-2021度 地域復興実用化開発等促進事業補助金(福島県)」を活用し、プロトタイプによる飛行試験を実施。「2023年度 新あいち創造研究開発補助金(愛知県)」を活用し、垂直離着陸が可能な固定翼機として機体のグレードアップを行った。今後、2024年度中に実装化を目指すとしている。

飛行試験(垂直離着陸モード)を行う「テラ・ドルフィンVTOL」
飛行試験(固定翼モード)を行う様子

【機体スペック】

全長2900mm
全幅4300mm
全高975mm
機体重量40kg
巡航速度70~150km/h


【飛行試験】

垂直離着陸モード
日時:2024年1月29日 10~12時
場所:名古屋港南5区(愛知県知多市)

垂直離着陸モードから固定翼モードに切り替え試験
日時:2024年2月14日 10~12時
場所:富士川滑空場(静岡県静岡市)