2024年2月6日、テラドローンは、同社子会社でベルギーに本社を置く運航管理システムプロバイダーのUnifly NV(以下、ユニフライ)が、ドローン飛行管理のためのサービスを開発提供するSkeyDrone(以下、スカイドローン)と、アントワープ・ブルージュ港にユニフライが開発したドローン運航管理システム(UTM)「Drone Potal」の最新版を導入したことを発表した。アントワープ港区は2021年の導入以来の大幅アップデート、ブルージュ港区では初の導入となる。

 欧州最大の貿易港(※1)であるアントワープ・ブルージュ港では、アントワープ港区においてドローンの目視外飛行を毎日実施している。ユニフライが開発したUTM「Drone Portal」は、2021年3月にアントワープ港区で運用が開始されて以来、5,000件以上の飛行許可・承認手続きを実施。今回アップグレードしたUTMは、最適化された自動承認機能をはじめ、ドローン操作との統合サポートやユーザーインターフェース(UI)/ユーザーエクスペリエンス(UX)を強化している。また今回ブルージュ港区にも導入され、運用エリアが拡大した。

 アントワープ・ブルージュ港は、ベルギーで最も多くのドローン飛行が行われる拠点となっている。また、ドローンの目視外飛行を促進するD-Hiveネットワークプロジェクト(※2)に加え、多くのドローンオペレーターが異なる目的で同じ空域を活用しており、ドローンのエコシステムにおいて重要な役割を担っている。さらにアントワープ・ブルージュ港は、欧州初の公式U-Space(※3)空域となる見込みで、自動飛行における重要なマイルストーンとして注目されている。

※1 アントワープ・ブルージュ港発表Port of Antwerp-Bruges: merger of the ports of Antwerp and Zeebrugge creates Europe's largest export port
※2 D-Hiveネットワークプロジェクト:ベルギー民間航空局(BCAA)と欧州連合航空安全局(EASA)によって承認された新しい目視外飛行の枠組み。アントワープ・ブルージュ港において、岸壁管理、監視、インフラ検査、原油流出や浮遊廃棄物の探知などのために毎日ドローンが目視外飛行し、事故発生時の警備パートナーをサポートしている。
※3 U-Space:欧州におけるドローン実装のための規制の枠組みまで含めた運航管理に関する概念。

各社コメント

ユニフライ CEO アンドレス・ヴァン・サルム氏

 私たちは、自律飛行に向けたドローンオペレーターの増加に期待しています。今回のUTMのアップグレードに加え、アントワープ港区だけでなくブルージュ港区にも導入を拡大できたことは、アントワープ・ブルージュ港のU-Space対応を前進させるために、重要なマイルストーンだと思っています。アントワープ・ブルージュ港は、ドローンの非分離空域への統合において世界的な最先端の事例となると確信しています。

アントワープ・ブルージュ港 Chief Digital Information & Innovation Officer エルヴィン・フェルシュトレーレン氏

 ユニフライおよびスカイドローンとのパートナーシップは、未来の変化に対応できる港を目指している当社のコミットメントを再確認するものです。私たちは共に、ドローンの無人飛行における新たな領域をつくっていきます。

スカイドローン Managing Director ヘンドリック・ヤン・ファン・デル・グヒト氏

 今回のアップグレードと運用エリア拡大により、ドローンオペレーターのユーザー体験を向上させるだけでなく、欧州の空域における無人航空機の安全でシームレスな統合を保証し、U-spaceの準備に向けた次のステップを目指していきます。