2024年1月16日、エルテスは、アンチドローンのトータルソリューションを提供する台湾企業のTron Future Techと連携し、UTM(ドローン運航管理システム)事業参入を目指すことを発表した。

 エルテスグループは、「メタシティ(メタバースを活用したスマートシティ)構想」の実現に向けて、岩手県紫波町において、スマートシティの構築を計画している。メタシティ構想実現によって、人口減少に起因する警備人材の不足、買物弱者等の社会問題の解決を目指している。これらの問題に対してドローンは大きな可能性を有している一方で、安全な活用にはUTMの実装が不可欠であることから、Tron Future Techと連携し、UTM事業への参入を図る。

 ドローン運航管理システムであるUTM(UAS Traffic Management)は、運航や飛行計画、運航者の登録管理、飛行ログの記録など、総合的な運航管理を支援するためのシステムやプラットフォームを指す。2022年12月の改正航空法施行に伴い、ドローンの有人地帯における目視外飛行(レベル4)が解禁され、ドローン活用の動きが本格化している。そのため、UTMにより周辺空域の状況や有人機を含むほかの機体の運航状況をリアルタイムで共有し、リスクを回避することや効率的な運航を実現することが求められている。

 Tron Future Techは、台湾国家宇宙センターにも導入される技術力を有するスタートアップ企業。高度なAESA(アクティブ電子走査式アレイ)設計技術をベースに、本国台湾を中心に世界各国にアンチドローンのトータルソリューションを提供しており、レーダーが非常に軽量なことが強みである。日本市場では、2023年5月にエルテスの子会社AIKとの業務提携を発表、2024年1月にはマイナミホールディングスとの業務提携を発表し、空港へのサービス提供を目指している。