2024年1月12日、川崎重工は、2023年12月22日に福島ロボットテストフィールドにおいて、無人ヘリコプターの実証機「K-RACER-X2」の試験を実施し、200kgの貨物搭載能力を確認したことを発表した。同社によると日本開発の無人機では最大の貨物搭載能力となり、一般的なドローンでは運ぶことができない重量物の輸送を通じた社会課題解決の実現に貢献するとしている。
国内山間地では、労働人口減少などにより輸送能力が減少する一方、山小屋への物資輸送や公共インフラの維持・更新などの需要は堅調であることから、需給バランスが維持できなくなるリスクが高まっている。こうした中、危険な現場作業や自然災害発生時における安全な物流網の確保、輸送需要に対応するための新たな物流サービスが求められている。
同社は物流における無人化・省人化を目指し、K-RACERを使った物資輸送サービスを提供している。今後、長野県伊那市からの委託事業において、実環境での山小屋への物資輸送の飛行実証を行う一方、自動つり下げシステムを用いた検証を実施し、荷揚げから荷降ろしまで人の手を介さないシームレスな物資輸送サービスの構築、量産機の開発を推進するとしている。
K-RACER-X2 基本仕様
メイン・ローター直径 | 7m |
最大搭載量 | 200kg(標高 0m)、100kg(標高 3,100m) |
駆動方式 | レシプロ・エンジン |
燃料 | ハイオクガソリン |
航続距離 | 100km以上 |
連続運用可能時間 | 1時間以上 |