2024年1月15日、SORA Technologyは、ドローンとAIを組み合わせたマラリア撲滅のためのデータ収集事業を、シエラレオネで本格的に始動させたことを発表した。同社は現地大学と人材育成に関するMOU(基本合意書)を結んでおり、今回のデータ収集事業はMOUに基づき実施するものである。

 SORA Technologyは、LSMと呼ばれるマラリア媒介蚊を幼虫(ボウフラ)段階で駆除する手法にドローンとAIを用いることで、従来のLSMと比べて効率よく、低コストで環境負荷も少なく実行できるサービスを提供している。

 ドローンで検知した水たまりを水温や水深、濁り度といった指標で仕分けし、ボウフラが繁殖するリスクが高いと判定した水たまりにだけ殺虫剤を散布することで、人件費削減、殺虫剤散布に対する費用対効果の改善、殺虫剤による環境負荷の低減を見込んでいる。

 同社はシエラレオネにあるンジャラ大学(Njala University)と2022年12月に、ドローンを使ったインフラ構築事業に関するMOUを締結し、同国でドローンやIT人材の育成を図ってきた。

 今回、マネジメント体制が整ったため、ンジャラ大学の学生に対価を支払った上で、水たまりの水温や水深、濁り具合などのデータ収集を行う。SORA Technologyは、マラリアの撲滅だけでなく、現地での人材育成と雇用の創出を基本方針として活動を進めるとしている。

 集めた水たまりのデータは、ボウフラが生息する水たまりと生息しない水たまりをAIが判別する精度向上のために利用する。さらに、収集したデータを医療機関や研究機関に提供することを通じて、世界的なマラリア対策に役立てたい方針だ。