2023年12月25日、島根県津和野町、KDDIスマートドローン、NEXT DELIVERYは、2023年12月19日から12月21日まで同町において、地域課題解決に向けたドローン配送の実証実験を実施したことを発表した。

配送品を載せて離陸するドローン

 津和野町は、若者の流出による人口減少や少子高齢化が進行するなか、日常の買い物など生活利便性の維持が求められている。また、運送業界においては、人手不足や採算性から過疎地域における配送維持が課題となりつつある。物流の最適化を目指し、ラストワンマイルの輸送手段にドローン配送を活用して課題解決を目指す実証実験に、民間企業と行政が取り組む。

 実証実証では、池村地区において、食料品や日用品等のドローン配送を行い「買い物難民」の課題解決を検証した。また、災害時に道路が寸断し緊急物資を配送することを想定して、非常食や防災用品をドローン配送する「災害時の孤立地域発生」の課題解決について検証を行った。

 食料品や日用品等のドローン配送では、食料品等が入った「食品セット」(約1.7kg)を、離陸地点の地域活性化複合施設建設地付近(津和野町枕瀬)から親水公園(津和野町池村)まで、片道約3.9kmを約9分で届けた。

 災害時の緊急物資配送では、非常食や防災用品が入った「緊急物資セット」(約1.5kg)を、地域活性化複合施設建設地付近から野地公民館(津和野町池村)まで、片道約5.0km、約11分でドローン配送した。

野地公民館で荷物を受け渡す様子

 実証実験は、エアロネクストとACSLが共同開発した物流専用ドローン「AirTruck」を用いて、レベル2飛行(無人地帯上空での目視内自律飛行)で行った。機体制御には、モバイル通信を用いて機体の遠隔制御・自律飛行を行うKDDIスマートドローン「スマートドローンツールズ」の運航管理システムを活用した。

 今後、今回抽出された課題の解決や、その後のドローン物流の事業化を目指すとしている。

実証実施体制
プロジェクト統括KDDIスマートドローン
機体運航KDDIスマートドローン、NEXT DELIVERY
フィールド提供津和野町
(左から)KDDIスマートドローンソリューション ビジネス推進2部部長 森嶋俊弘氏、津和野町 町長 下森博之氏、NEXTDELIVERY企画グループ グループ責任者 近藤建斗氏