ノーベル、大分合同新聞社、Suzak、大分県は、2023年11月21~24日の4日間、国土交通省の「無人航空機等を活用したラストワンマイル配送実証事業」(全国10カ所)の1つとして、ドローンとAGV(自動配送ロボット)による新聞配送の実証実験を大分県別府市で実施した。

新聞を搭載して離陸するドローン

 過疎・高齢化が進む大分県では、山間部を中心に新聞配達員が不足しており、大分市、別府市といった都市部でも、街中から外れた施設等への配達が大きな負担となっている。そこでドローンを活用し、街中のプレスセンター(新聞販売店)から郊外山間部にある立命館アジア太平洋大学へ、新聞の空輸を試行した。

実証実験の概要

 別府市古市町の亀川駅前プレスセンター近くにある西念寺駐車場から、同市十文字原の立命館アジア太平洋大学(APU)までドローンを自動運航させ、キャンパス内でAGVに自動連携。目的地である大学本部棟までAGVを自動走行させ、新聞10部を箱に入れて届けた。

【ドローンの飛行ルート】

【AGVの走行ルート】

【使用機材】

 実験期間中に計13回のフライトを行い、ドローンによる新聞配送の空路を開拓した。また、ドローンポートに着陸後、AGVに自動で荷物を受け渡すことに成功。AGVはキャンパス内で繰り返し走らせ、目的地まで自動走行できた。

 ドローンやAGVを活用することで、将来的には新聞配送において人の介入を減らすだけでなく、災害時の物資輸送にも応用できると期待される。

 今後、レベル4(有人地帯における補助者なし目視外飛行)の実施を目指すとともに、ドローン物流の実用化に向けた取り組みを進め、人手不足が懸念される配送業務における課題解決を目指すとしている。

ドローンポートに自動着陸する様子
ドローンポートからAGVに自動連携
あらかじめ記憶させたルートを自走するAGV
自動配送された箱を開封して新聞を受け取る様子

【各社役割】

代表事業者ノーベル事業全体取りまとめ、ドローン運航管理
共同事業者大分合同新聞社課題提供、フィールド調整、広報活動
Suzakプロジェクト管理、実証実験調整・運営
大分県市町村、関係機関との調整
協力事業者ブルーイノベーションドローン・ドローンポート管理システム(BEPポート/VIS)・AGV提供
AGV運航管理
きっとすきドローン運航支援
立命館アジア太平洋大学実証実験場所提供
西念寺