2023年10月26日、花王は、兵庫県養父市山間部において、重量運搬ドローンの自動運行技術を用いた一括輸送ならびに自動搬送ロボットと連携した配送無人化を狙う実証実験を実施したことを発表した。

 同社は、2023年7月に兵庫県養父市と連携協定を締結。過疎地域や山間部における物流課題の解決と効果的な物流網の構築を目指した取り組みを進めている。

実証実験の様子

 2023年9月28日、養父市協力のもと、スーパーセンタートライアル養父店から山をひとつ隔てた養父市立養父中学校中庭部分の区間(直線距離で約2km)において、重量運搬が可能なドローンを活用し、ドローン広域供給拠点(ドローンデポ)から山間地域や過疎地域の商店までの一括供給を想定した実証実験を実施。推奨最大20kgを搭載可能な大型ドローンで、約15kgの日用品を一括輸送することに成功した。山越えにおける電波の安定性と、商品を積載したドローンの飛行安定性についても一定程度確認した。

主な役割
兵庫県養父市・ドローン飛行フィールドの提供
・関係機関や地域住民との調整
・施策・企画の検討
ブルーイノベーション・ドローンポートの準備
・ドローン運航管理システムの提供
プロドローン・ドローン機体準備
・飛行オペレーション
NTTコミュニケーションズ・LTE上空利用プランの提供
・電波シミュレーション
・プロジェクト全体管理

 花王は今回の検証結果をもとに、さまざまなドローン技術の特性に合わせた実証実験を継続的に実施するとしている。2023年11月には、岐阜県中津川市において、ドローン1機での輸送が難しい大型荷物を複数の編隊飛行によって改善を図る実証実験を実施予定。2024年には、海上ルートを利用した長距離ドローン輸送による、時間短縮と効率化に向けた実証実験を計画している。