2023年10月24日、エバーブルーテクノロジーズは、開発中の無人自動除雪ドローンのバージョン2を開発し、実装化に向けたテスト導入を開始したことを発表した。

 主に事業所の敷地内通路や大型除雪機が入れない商業施設、公共施設の敷地、駐車場などで利用することを想定し、広範囲をパワフルに除雪する。夜間を含めて常に稼働させることで、いつでも除雪されている状態を維持し、積雪や凍結を防止することを目的としている。

除雪ドローンver.2.0(プロトタイプモデル)。

 除雪ドローン(旧称:除雪ロボ)ver.1.0では、既存の小型除雪機を遠隔操作ができるように改造し、エバーブルーテクノロジーズが提供する自動操船ユニット「eb-NAVIGATOR」を接続・搭載することで、自動操縦化、実証テストを行ってきた。

 2022年のプロダクト開発のリリース発表後、事業所の周りの除雪や会社駐車場を自動で除雪したいといった要望を多く受けたことから、同社はさらに広い敷地をパワフルに除雪できるドローンの開発に向けて検討を続けてきた。その中で、スズキ製の電動モビリティベースユニットの機動性に着目し、新たなニーズに答える除雪ドローンの開発に至ったという。

【製品スペック】

‍形状電動モビリティ
サイズ全長0.9m×全幅0.6m×全高0.5m
※本体のみ、排土板等搭載機器含まず
車両重量92kg
※本体のみ、排土板等搭載機器含まず
装備重量N/A
最高速度前進 6km/h、後進 6km/h
実用登坂角度8度
※走行路面状態によって変化
連続走行距離30km
※常温、積載100kg、平たん路にて前進最高速度で走行時
稼働時間5時間
※常温、積載100kg、平たん路にて前進最高速度で走行時
バッテリーSC38-12(12V35Ah)×2
推進方式DC24V・210W×2(30分定格出力)
安全性能非常停止ボタン/障害物検知センサー
その他装備・自動操船ユニット「eb-NAVIGATOR2.0」
・アプリ「eb-CONNECT v2」
自動化した市販小型除雪機

 北海道など豪雪地帯では大量の雪が長時間にわたって降ることから、除雪が適宜行われないと生活に大きな影響が出る。企業の敷地などでは大型重機を使用しているが、重機が入れない建物の壁際や出入り口の周辺では、人力や小型機械による除雪が必要となる。雪を放置すると扉や窓の開閉に影響が出たり、場合によっては雪の重みにより建物の破損につながるため、日常において除雪は欠かせない作業である。

 同社は、自動・遠隔操作による除雪ドローンの開発を行い、建物の周辺を正確に除雪することにより除雪作業に伴う負担を軽減し、最終的に雪国の除雪作業人員不足を解消したい考えだ。

 今冬よりプロトタイプによるテスト導入を開始し、商品化に向けて調整開発を行う。東日本電信電話山形支店との共同プロジェクトとして、⼭形県⼩国町の協⼒のもと、2024年1月~3月に⼩国町役場駐⾞場において自動除雪実証実験を実施する。

実証実験動画