2023年10月20日、テラドローンは、経済産業省「中小企業イノベーション創出推進事業」フェーズ3の次世代空モビリティ分野(事業テーマ:行政ニーズ等に対応したドローンの開発・実証)に採択されたことを発表した。

 2年間で2.9億円の予算計画のもと、同社はドローンによる点検作業を効率化するプラットフォーム開発・実証を進めるとしている。

プロジェクト概要

 災害やインフラ老朽化などを背景に建設や点検のニーズが増える一方、現場の高齢化や人材不足が深刻な問題となっている。また、インフラ等を建設する際の測量や維持管理の点検でドローンによるDXへの期待が高まっている。

 しかし、ドローンを導入して作業を実施するために必要な各工程では、異なる複数のツールを使う必要がある。作業を習熟するためのハードルが高いうえ、導入コストも膨らむことから、なかなか普及につながっていない。

 テラドローンは、同プロジェクトにおいて、ドローン作業で発生する工程において必要なオペレーションを一元化するプラットフォームの開発を行う。これにより、初期導入コストを従来から7割、作業時間についても従来から9割削減することを目指す。

【プロジェクトにおけるビジネスモデル】

【新プラットフォームの導入効果(見込み)】

中小企業イノベーション創出推進事業 フェーズ3 について

 中小企業イノベーション創出推進事業(SBIR: Small Business Innovation Research)フェーズ3 は、スタートアップ等による先端技術の研究開発を促進・社会実装し、日本のイノベーション創出を促進するための制度。その革新的な新技術の技術成熟度(TRL ※2)を原則としてレベル5以上から、社会実装が可能となるレベル7まで引き上げる計画であることが要件となっている。

※2 TRL:Technology Readiness Level。NASAによって作られた特定の技術の成熟度レベルを評価するために使用される指標であり、同事業では原則当該指標により技術成熟度を判断する。<参考>https://www.nasa.gov/wp-content/uploads/2017/12/458490main_trl_definitions.pdf