2023年10月6日、クオリティソフトはネクストと合同で、「アナウンサードローン」とドローンの運用管理クラウドサービス「DroneNEXUS(ドローンネクサス)」による遠隔アナウンスの実証実験を実施したことを発表した。同実証では、ドローンのカメラ映像により遠隔地から監視を行い、状況に応じて上空からアナウンスを行った。

アナウンス者と機体間の距離に制限があったアナウンサードローン

 アナウンサードローンはスピーカーを搭載しており、上空からのアナウンスを可能とする。これまでは防災・災害対応で検討されるケースが多く、ドローンの飛行状況を目視できる場所にドローン操縦者とアナウンス者の両方がいることを前提としていた。

 防災・災害対応以外の用途でのアナウンサードローンの活用検討案件が増え、ドローンの飛行場所から離れた屋内で、映像監視とアナウンスを行いたいという要望があった。しかし、アナウンサードローンへの音声伝達にはデジタル簡易無線を使用しており、アナウンス者とアナウンサードローン間の距離の制限(音声伝送の電波到達距離は見通し2km程度)や、屋内からドローンに電波が到達しない場合があるなど課題があった。

運用管理クラウドサービス「DroneNEXUS」の活用

 クオリティソフトが開発・提供するドローンの運用管理クラウドサービスDroneNEXUSは、ドローンの運用に最適化されたPC間コミュニケーション機能を有しており、デジタル簡易無線と組み合わせることにより課題(図B)を解決し、ドローンの飛行場所から離れた屋内で、映像監視とアナウンスを行う運用を可能とした。

 DroneNEXUSは、インターネットに接続されたPC間で、映像共有と会話を行うことができる。災害現場でのドローン運用を想定したユーザーインターフェースを備え、通信環境が不安定な環境において、複数アカウントの映像の中でドローンが撮影した映像の品質を優先する。

実証実験:千葉県から和歌山県を遠隔監視、アナウンス

 千葉県にあるネクストのオフィスから、和歌山県のクオリティソフト本社の前庭に立つ作業員の様子をドローンのカメラにより確認し、アナウンスを行った。アナウンスを聞いた作業員は、その指示に従い行動した。

DroneNEXUS画面

【使用機体】
・機体 :DJI Matrice 300 RTK
・機体上部 :カメラ ZENMUSE H20搭載
・機体下部 :圧電スピーカーユニット搭載