エアロネクスト、モンゴルのNewcom Group、セイノーホールディングス(以下、セイノーHD)、KDDIスマートドローンは、モンゴル国ウランバートル市で9月28日に開催された「新スマート物流シンポジウム」において、モンゴルにおけるドローンを活用した配送網構築に向け「モンゴル新スマート物流推進ワーキンググループ」の発足を発表した。

 4者は、国立輸血センター、モンゴル国立医科大学付属モンゴル日本病院と連携し、今後のモンゴル国でのドローンを活用した医療品配送網構築の実現検討のため、年内に血液のドローン配送の実証実験を実施するとしている。

モンゴル新スマート物流推進ワーキンググループの発足式の様子。

 ウランバートル市White Rock Centerで開催された「新スマート物流シンポジウム」(主催:モンゴル新スマート物流推進ワーキンググループ準備委員会)は、エアロネクストが採択された国際協力機構(以下、JICA)の2022年度中小企業・SDGsビジネス支援事業「モンゴル国ドローン活用した医療品配送網構築に係るニーズ確認調査」プロジェクト進行において、モンゴル国の官庁や事業者と議論を重ね、開催に至ったもの。

 シンポジウムには、日本やモンゴルから、官公庁や医療関係者、物流業界、流通業界をはじめとした各業界の事業者など、100名以上が参加した。

 同ワーキンググループは、4者に加え、JICA、モンゴルの国立輸血センター(National Center for Transfusion Medicine)、モンゴル国立医科大学付属モンゴル日本病院、Mobicom Corporation、Tok Tok、ACSLで組織され、モンゴルにおけるドローンを活用した配送網構築、新スマート物流SkyHubの社会実装の可能性検討に向けて、今後活動を開始するとしている。

 新スマート物流とは、デジタルやテクノロジーを活用しながら、将来にわたって物流を持続可能にするための取り組み。エアロネクストとセイノーHDが共同で推進しているSkyHubは、既存物流とドローン物流をつなぐことでモノを届ける新スマート物流のプラットフォームである。

 ワーキンググループの発足により、JICAの中小企業・SDGsビジネス支援事業(ニーズ確認調査)を通した活動から、日本の複数地域で社会実装フェーズに入っている新スマート物流SkyHubの海外展開の第1例目を目指す。

 4者は、同ワーキンググループの活動を実施することで、モンゴルの社会課題や住民のニーズに沿った新スマート物流の構築による社会インフラの整備を推進し、モンゴルの社会課題解決に貢献するとしている。

「モンゴル新スマート物流シンポジウム」パネルディスカッションの様子。