2023年9月15日、SkyDriveは、韓国の航空機リース会社Solyu Company, Ltd.(以下、Solyu)と、空飛ぶクルマ導入に関する覚書を締結したことを発表した。両社は、SkyDriveが設計開発中である空飛ぶクルマ商用機「SKYDRIVE」の最大50機のプレオーダーに合意した。

 SkyDriveは現在、軽量で電動、垂直離着陸が可能な3人乗りの空飛ぶクルマSKYDRIVEの開発に取り組んでいる。2022年4月には、型式証明審査の適用基準を国土交通省と合意し、型式証明取得を目指している。

 韓国ソウルに拠点を置くSolyuは、VMIC Aviation社等の航空機事業や航空機リース、金融業界での経験を持つメンバーが経営する、eVTOL、eCTOL(電動で普通の滑走路で離着陸を行う固定翼機)、eSTOL(電動で短距離の滑走路で離着陸できる航空機)といったゼロエミッション航空機のリース企業だ。

 韓国では首都圏の深刻な交通渋滞が問題になっており、韓国政府は時間と社会的費用を70%削減できると期待して、韓国都市型航空交通(Korean Urban Air Traffic:K-UAM)ロードマップを策定している。また、政府は官民共同実証プロジェクト「K-UAMグランドチャレンジ」の計画も推進している。

 Solyuは、K-UAMを推進するために、電動でゼロエミッションである空飛ぶクルマのプレオーダーの合意に至った。

 今後両社は、政府や運航オペレーター、バーティポート(離着陸場)や給電インフラなどのステークホルダーと協力しながら、韓国における空飛ぶクルマの実装を目指すとしている。

南山ソウルタワー周辺を飛行するイメージ

各社コメント

Solyu Company, Ltd. 社長 Andrew Claerbout氏

 eVTOL市場は、世界の排気ガスを減らし、移動の利便性を向上します。SkyDrive社と世界三大デザイン賞の1つである「iFデザインアワード2023」を受賞した空飛ぶクルマ「SD-05」と連携し、世界市場開発を実現できて光栄です。

SkyDrive 代表取締役CEO 福澤 知浩氏

 ベトナム、アメリカに続き、韓国でも、Solyu社から最大50機のプレオーダーを合意いたしました。リース会社からのプレオーダーは国内外でも初めてとなり、これまで航空機リース業界での経験豊富なメンバーが経営される、Solyu社と進められるのは大変ありがたいです。韓国での「空飛ぶクルマ」の実装を実現し、韓国の航空分野における二酸化炭素削減の目標達成できるよう、Solyu社と協力して韓国市場を切り開いていきたいと思います。

空飛ぶクルマ「SKYDRIVE」