2023年9月6日、SkyDriveは、空飛ぶクルマの実用化に向けて、宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)と騒音低減に向けた共同研究に関する契約を締結したことを発表した。今後、自社での研究に加え、JAXAの協力のもと、空飛ぶクルマの機外騒音推定技術の向上に関する研究を推進するとしている。

JAXAの大型低速風洞での音源探査試験の様子

 空飛ぶクルマ実用化のためには、機体の安全性と環境に対する基準を満たし、機体の「耐空性」を証明する必要がある。SkyDriveが現在開発を進めている機体は、騒音源となるロータ径や配置、システム構成等が従来の回転翼機とは異なる特徴を持つことが予想され、空飛ぶクルマの騒音を推定し評価する技術の獲得が必須となる。

 JAXAは日本最大の航空機用風洞試験設備を保有し、従来から回転翼の音源探査の技術開発を進めてきた。SkyDriveはその技術を活用し、空飛ぶクルマの低騒音化に向けた共同研究を開始した。

<役割分担>

項目SkyDriveJAXA
ロータ/全機模型風試
実機ロータ/実機音源識別
機外騒音推定
将来機向け技術課題抽出
将来機向け技術ロードマップ策定
成果まとめ

●主担当、○副担当

 SkyDriveが開発する空飛ぶクルマは、機体のエンジンを電動化することで低騒音化を実現することが可能となるが、生活環境の中で離着陸をし、実用化されるためには、さらなる騒音低減が必要だという。同社は今後、共同研究の成果を基に、騒音源のロータやシステム開発を推進するとしている。